飽くなきエロスの探求を著名人の作品から読み解く、渾身のエッセイ

エロスとは何か、R15とは何か、そしてエロスを表現するためにはどんなすべがあるのか……。
エロスとその表現との間にはつねにせめぎあいが起きます。なぜならそこには必ず社会の「モラル」が存在するからです。しかしその厳しい目をかいくぐり、いかにエロスをエロスとして作品の中に存在させるか。このテーマを筆者は著名な文学者の作品を例に挙げながらこと細かに、そして奥深く語ってくれます。

作家の個性を踏まえつつ、それぞれの作品に隠されたエロ表現を解き明かしていくのですが、その作品に対する解読力、分析力、そこから導きだされる答えの説得力は、ただもう凄いとしかいいようがありません。

このようにいうと堅苦しい評論かと思われそうですが、その語り口調がまた絶妙に面白いです。読みながら笑いが止まりません。こんなにも面白く読ませながら読者をうなずかせてしまう手腕が素晴らしいです。

エロ表現にお悩みの方、エロの表現を極めてみたい方。この作品はきっとそのような書き手の皆様に強く深い刺激を与えてくれるだろうと思います。もちろんそれ以外の方々にも興味深い読み物として楽しめます。
筆者の飽くなき探求心が結集した渾身のエッセイです。ぜひ色んな方にお読みいただきたいと思います。

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