7月の日差しを遮る梢の下で、風を感じながら話を聴いているかのような感覚になりました。愛に溺れる姉のうっとりとした表情や仕草、今を生きていない様子が鮮明に浮かびました。流麗な文体から語られる人物描写や、心情がありありと伝わってくる美しい作品です。
「愛」の形は人それぞれ、といいますが、こんな「愛」を見せつけられたのは初めてで、すっかりクララさんのファンになりました。毎度毎度、その発想の豊かさに驚愕します。美しいお茶会によって結ばれた「狂った愛」の形、ぜひお楽しみください。
「美しい時間の中では、何一つ欠けてはいけない、何一つ間違ってはいけない」という作者のひと言が全てです。
もっと見る