小説の文章作法

 小説を書くさいに文章作法というものがあります。小説を書くうえでのルールですね。WEB小説に限ってのことではなく、紙の小説であっても文章作法は同じです。文章作法の代表的なものをいくつか挙げてみます。


 セリフの沈黙などを表す「…」は二個一セットで使います。

 こんな感じです。「……」

 長くしたいときは「…………」みたいに二個一セットを二度続けます。つまり「…」は四個です。

 「…」の代わりに、「・・・」や「。。。」を使っている方をときどき見かけます。それは間違いですので「…」を使うようにしてください。


 同じように二個一セットで使うのは「―」ですね。「――」

 また「―」を「-」や「ー」にしている方がいますがそれも間違いです。「―」を使うようにしてください。


 「―」が正しいものを使っているかは、ふたつ並べたときに隙間ができるかどうかで判断できます。正しい「―」だとふたつ並べても、「――」のように隙間ができません。間違っている「-」や「ー」をふたつ並べると「--」や「ーー」のように隙間ができます。

 

 ちなみに「―」とふたつ並べて隙間ができないのはカクヨムのプレビューの話です。テキストアプリによっては、「―」を正しく使っていても隙間ができます。


 それから段落が変わったときは文頭は一マスは空けます。よくわからない場合は『一字下げ』でググってください。具体例をのせてくれているサイトがいくつかヒットします。


 『?』や『!』のあとに文字が続く場合も一マス空けます。


<誤>「信じられない!スイカバーなのにスイカの味がしないじゃん」

<正>「信じられない! スイカバーなのにスイカの味がしないじゃん」


 数字は基本的に漢数字を用います。午後6時45分や11月23日ではなく午後六時四十五分や十一月二十三日です。


 以上は基本ともいっていい代表的なもので、ほかにも小説独特の文章作法があります。


 このエッセイのまえがきにも書きましたが、僕は大人になるまで小説をほとんど読んでません。だから、小説を書きはじめるまで()が心の声を示していると知りませんでした。


――――――――――

 太郎は空を見あげて思った。

(今日はいい天気だな……)

――――――――――

 こういうのとかですね。


 これは小学生のときに習うルール(文章作法)です。僕も習ったはずなんですが、全然覚えていませんでした。小説を読まないから、覚えていなくても問題なかったんでしょうね。


 ()のことすら知らなかった僕ですが、今はわりと文章作法をしっかり守って書いています。百パーセントは正しくないかもしれませんが、大きく間違えてはいないはずです。


 なぜ、文章作法が守れているかというと、特に難しいことではないからです。グーグルなんかで検索すれば、小説の文章作法を説明したページがたくさんヒットします。それを見て覚えただけですから誰でも理解できることです。


 もの凄く難しいことならまだしも、簡単に覚えられるものですから守っておいたほうが無難ですね。文章作法が守られていなくても読めるのは読めます。でも、守られているほうがなんとなく読みやすい気もしますしね。薬でいうところのプラシーボ(プラセボ)効果みたいなものかもしれませんが。笑


 とにかく、「文章作法すら守れていない小説は読む気にならない」という人も結構いるみたいですから、文章作法を守るに越したことはないと思います。


 かといって、文章作法を一箇所二箇所間違えていたとしても、文芸コンテストなどで不利になるなんてことはないと思います。基本的なことを守れていれば問題ないはずですから、文章作法は気にしておくべきですが、ゴリゴリに気にしなくても大丈夫です。ゴリゴリに守り過ぎると、文章の個性もなくなりますしね。


 文芸コンテストとは違う話になりますが、書式化してもらった『ひとつの花に託す。』や『半実話あやし奇譚』はいくつか文章作法を間違えていました。それでも書籍化してもらっています。多少の間違いは問題なしという証拠ですね。基本的なことをおさえておけば充分だと思います。



<続く>





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