愛すべき脳筋年増令嬢

 28才、半生を軍にて過ごした上に人外レベルの武力を身につけた脳筋令嬢。貴族令嬢として見たならポンコツオブポンコツ。
 一体誰得なキャラだ?と思わせられるこの設定。しかし、変にキャラ萌えを狙わない姿勢は好感が持てるし描かれるキャラも実に魅力的です。

 後宮となるとどうにも西洋のイメージが湧きづらい。中国や日本の大奥がイメージとして湧いてくるので個人的に読み始めで少し違和感はありました。
 文章についても細々と思うところはあるものの、活き活きと描かれるキャラクターたちに貴族の裏でのやり取りや思惑、そして不器用な恋。『作品』としてのレベルはかなり高いなと感じさせられます。書籍化されても不思議ではないというのが正直な感想です。