過ちを打ち明けられない弱さ

 関係ない、それどころか親切心を向けてくれた見ず知らずの相手に、ささくれた心のままに筋違いの悪意をぶつけてしまう。
 その後悔を募らせながら、その相手と再開を果たすが相手は自分のことを認識していなかった。
 人柄に触れ好意を抱くも自分の過ちを打ち明けて謝ることができず、そんな自分の弱さに打ちひしがれてしまう。
 そうした人間らしい葛藤がよく描かれていると思います。
 また他のキャラクターも生き生きと描かれていて魅力的ですね。
 やや「!」を多用し過ぎている気もしますが。

 物語としてよく描かれていてかなりの良作です。
 まだ小説としての書き方に粗い部分はありますがそうした指摘をした際にはしっかりと受け止める、書き手として成長しようとする姿勢が見える方で今作の終わりだけでなく、次回作も期待ができます。

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