28才、半生を軍にて過ごした上に人外レベルの武力を身につけた脳筋令嬢。貴族令嬢として見たならポンコツオブポンコツ。
一体誰得なキャラだ?と思わせられるこの設定。しかし、変にキャラ萌えを狙わない姿勢は好感が持てるし描かれるキャラも実に魅力的です。
後宮となるとどうにも西洋のイメージが湧きづらい。中国や日本の大奥がイメージとして湧いてくるので個人的に読み始めで少し違和感はありました。
文章についても細々と思うところはあるものの、活き活きと描かれるキャラクターたちに貴族の裏でのやり取りや思惑、そして不器用な恋。『作品』としてのレベルはかなり高いなと感じさせられます。書籍化されても不思議ではないというのが正直な感想です。
権謀術数が渦巻く後宮。
図らずも後宮の最上位、三天姫の一人として後宮入りすることになった八大将軍の副官ヘレナ。軍人である。
持ち前の天然さと脳筋さで瞬く間に後宮を制圧!
※本人にそんなつもりはありません。
宰相である父親の悩みは尽きないが、そんなことなど気にせずヘレナ様は後宮改革に乗り出す!
※偶然です。ヘレナ様本人に改革などという気はありません。
そして出来上がったのは……後宮精鋭軍。
おかしい……後宮とは皇帝のハーレムではないのか……
皇帝が美姫と退廃的に戯れる場所であるはずなのに……
皇帝ファルマスと陽天姫ヘレナのもどかしくも清々しいやりとりをニヤニヤしながら見守っていきましょう!