ファンコミュニティが確立されている作品にコメントを残す際は空気を読むのが吉

 いわゆる「読者」と呼ばれる層には、読み専門と書く&読むの両方がいます。私の場合は作品も投稿しているので後者です。

 さらに読者の括りを見てみると、コミュニティに属している読者と気ままに立ち寄る野良読者がいます。こちらも私は概ね後者に当てはまるかなと思っています。


 個人的に推している作家様方はもちろんいるのですが、誰かと一緒になってその方だけを推すわけではないし、推し作家の作品を片っ端から読み倒して星をつけるわけでもありません。

 気になった作品は作者云々関係なくキープして、ジャンル不問で読み漁る雑食です(とはいえ、偏りはできるものですが)。

 気ままに目についた作品をふらっと立ち読みすることが多いので、一期一会という言葉が一番しっくりときます。


 そんな雑食野良が、たまたま立ち寄った作品で思ったままのことをコメントとして残すと、時として、即座にアンチ認定されることがあります(最低限のマナーとして、面白くないとかつまらない等の感想とも呼べない類は絶対書きません)。


 特に、ファンコミュニティが確立している作家様の作品で、惜しいと感じた部分、ストーリー構成やキャラクターの役割と配置が漠然としていて、着地を迷走した感を覚えた箇所などをそのまま伝えようものなら、「素人のくせに何様だ」という勢いの反応があったりします、主にファンコミュニティの方々から。


 ファンの方々にしてみれば、推し作家(の推し作)をディスられたように感じるのでしょう。

 コミュニティ外から、ふらっとやってきた野良読者に何が分かると言いたい気持ちも分かります。

 その手の反応がある作品のコメント欄を拝見していると、総じて各エピソード(とそれを執筆した作家様)を褒めちぎっていることが多いです。ファン同士の共感しました系のコメントもよく見られます。


 その時点で、気付け自分! と、私も都度都度、猛省します。


 そういったコメントが並んでいる中に、ぽっと異質なコメントを投下すればコミュニティに波風が立つのは必定です。

 そのコミュニティ(あるいは作家の作品)に染まっていない一読者の感想として、引っ掛かりを覚えた部分がスマートに解消されたら、もっと不特定多数に対して興味を引く作品になるだろうな(コンテストに応募してるなら、限りなく最終選考いけるんじゃないかという期待が持てそうだな。私が選者なら残すぜ、絶対)と思うからこそ、感じたことをコメントとして残すのですが、まあ、一言で平たくまとめると「」——ただのお節介なのですよ……ぶっちゃけましたが。


 というのも、カクヨムの作品コメント欄って「応援コメント」なんですよね、用途としては。

 だから、「応援」だけをしておけば十分に事足りるのです。

 作品に対する指摘って、そういう意味においては用途を逸脱している可能性があるので、コメントを残す場合は、そこを踏まえた上で、どういった傾向の作者様で、どんなファンコミュニティがどのくらいの規模で形成されているかを、しっかり把握しておかないと野良読者は飛んで火に入って大火傷を負うわけです。

 アチチ、アチ、燃えてるんだろうか(燃えてます)ということになります。


 傾向として、ファンコミュニティが比較的強火の作家様は、割と近況やご自身の日記エッセイ、あるいは外部SNSで「こんなコメントもらいました……しょぼん」となっていることが多く、それに対して「気にすることないよ、元気出して」や「(作家名)さんらしくて十分面白いです!」系のコメントが連なることが多いです。

(惜しいとは書いたけど、面白くないなど失礼なことは一言も書いてない……)


 完全部外者の野良読者からすると、さながらアイドル作家様と親衛隊の構図です。それ以上、触らずに退散するに限ります。部外者はお邪魔以外の何ものでもありませんからね……。


 もちろん、中には一読者の指摘や疑問を好意的に捉えてくれる作家様もいらっしゃるので(傾向として、ファンコミュニティ云々より黙々と執筆に勤しんでおられる一匹狼気質の方が多いです。まあ、その後人気が出てコミュニティが盛り上がってたりもしますが)、作家様と読者の相性にも左右されるのかもしれません。

 一匹狼系作家様と野良読者は、そういう意味では割と相性が良いと言えそうです。


 誤解のないように記しておきますが、私も指摘とか疑問ばっかり投げつけてるわけではないです……最高だと思った時は絶賛褒めちぎりますよ。星も付けるし、熱量高めのレビューだって投下します。

 だって、面白いと思ったんだもん。他の人にも読んでほしいと思うんだもん。


 とはいえ、これもまた、あくまでも一読者の視点でしかありません。

 そこは私自身も、今後とも十二分に弁えておくべきことです。


 カクヨム登録も三年目を進行中ですが、未だにコメントの匙加減には悩むことが多いです。


 とりあえず、火傷を負いたくない人は、コメントを投下する前に一通りどんなコメントが、どんなエピソードについているか事前に目を通しておくのが吉です。

 文字と空気は、読めてナンボですからね。

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