4 杯目 観劇
SIDE
また始まったよ。この言葉が真っ先に浮かんだ。
石丸さんが過激な主張をするのは、今に始まったことではない。僕が入部した直後から、似たようなことは何度かあった。
僕が学部一年の時、我がうどん会は学祭で模擬店を出店した。その目的は「ちゃんとしたうどんがどんなものか知ってもらうこと」だった。コシのないうどんを
けれど彼ら二人の目論見は、
この出来事以降、石丸さんが対外的に大きな意思表示をすることはしばらくなかった。他の部員と日々議論はするものの、僕のような穏健派を排除するでもなく、逆に排除されるでもなく、部室に存在しつづけていた。しかし、かと言って自分の主張を変える風でもなく、将来的な変革に向け何か別のやり方を模索している、そういった感じだった。
そこへ来て今日の謎マナーである。あの表情は、今までの付き合いで見たことがなかった。それほどまでに、あのブログは石丸さんに衝撃を与えたのだ。であれば、一時の平穏を破り、彼がまた何か始めるかもしれない。久々に何か面白いものを見ることができるかもしれない。僕は半ば劇場の観客のような心持ちで、その行く末を見ようと思った。
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