魔法少女の日常が、輝いているとは限らない

夜は、ファンシーな格好で人々を怪人から守る魔法少女。
昼は、荒んだ身なりのいじめを受けている女子中学生。
それが四方山もえぎの日常だった。

昼の自分を犠牲にして、魔法少女としての活動に心血を注ぐもえぎ。
これも全て、人々を邪悪から守るため。
しかし、学校の同級生はそんなこともつゆ知らず、もえぎへの嫌がらせを続けていた。
タチが悪くも浅はかないじめを、内心で一蹴していたもえぎだったが――。


ファンタジックできらびやかな展開を期待させる導入に反して繰り広げられる、薄暗く荒んだ日常が、淡々と、けれど、ひたひたと沁みる文章で描かれています。
そしてさりげない伏線もまた見事でした。

優しく温かい家族を唯一の心の支えに、使命を果たさんと奮闘する魔法少女に訪れる運命を、是非ご覧ください。