灯台下を照らす

「直観」がお題のKAC作品。
まるで灯台の光に導かれて港へ向かう船のように、まずはシンプルでありながら語感のきれいなタイトルに惹かれて導かれた。
お題が直感ではなく直観であること、春という季節性、時事的な話題、といったネタをしっかり料理して上手く配置し、それが巧みな構成で編み上げられた物語の中にはまり込んでいる。
読み終わってみると、せつないながらも美しい世界観に魅せられる。溜息がおのずと洩れる感じ。
普段は忘れてしまっているけど元々小説って芸術の一分野のはずで、本作品を読むとそのことを思い出させてくれるかもしれない。
この作品を読んでみようと思った自分の直観は間違っていなかった。そう、確信できます。