直球の中二病は好感度が高いです!
導入で勢いを付けるかと思いきや、とても丁寧な導入から入る物語です!
ですが、そこで主人公の人となりが見えるわけですが、魅せ方がとても見事でした!
主人公の人柄と妹の配置バランスがすごい絶妙で鼻につくことがない形で進行されており、たんたんと進む会話に思わず聞き入ってしまいます。
さらにいえばゲームが題材の場合、入手が困難。有名タイトル。が用いられることが多い中でマニアックなタイトルを利用するのも物語のコンセプトが一貫しており読みやすさに拍車をかけてくれました!
導入回りで進行じたいで緩急をつけることはないのですが、主人公の語りと感想が練り込まれており、とあるやりとり後の「意外と理性のある質問だった。」等々、会話の勢いのトーンで押し切ることなく間とテンポで頬を緩ませてくれる見事な展開を披露してくれました!
個人的に期待していた部分があり、最新話でその展開が見れそうなこともあり勢いに任せたレビューとなってしまいました!
が、脱力系や斜に構えたような主人公ではなく清々しいほどに真っすぐであるがゆえに応援、そして見届けたくなる物語です!
ぜひみなさんも覗きに来てみてはいかがでしょうか?
ゲームでよくあるユニットの能力、「HPが下がると攻撃力UP」というやつ、実際のところ上級者向けで、ヘタなヤツが使うとただ単にすぐ死ぬだけのクソスキルだったりします。
本作品においては、このビミョーなはずの能力が大活躍します。
ほんとです。
ただし、痛いです。
何がどう痛いのか、痛かったらどうなるのか、は本文を読んでみてのお楽しみです。
痛い、といえば。
中二病、というのが本作品のお題となっています。
周知の通り、中二病はこじらせて痛くなってからが本番です。
主人公 (だけでなく他のキャラもですが) の中二病ぶりは、第三者である読者から見れば、痛さと同時にいとおしさもあるものです。本当はどこにでもいる平凡なヤツなのに俺は特別なんだ、というコンプレックスが由来のものですから。まあそれが中二病の特性と言うべきものではありますが、キャラクターたちの魅力になっています。
現実世界では中二病なんて、小説を書くくらいでしか役立てることのできないクソスキルなのですが、特殊なゲーム世界ではどう役立てることができるのか。
中二病マインドで壮大な冒険を楽しむことができる一作です。