誰ぞ彼ぞという答え合わせが楽しい

非常に読みやすい短編で、一時間足らずで読むことが出来ますが、シンプルで力強いシナリオで、かつ内容がしっかりと詰まっているので非常に高い満足感や爽快感を得られます。


本作は同じ作者さんの別作品の前日譚となります。
しかしながら登場人物の多くは、その名前がラストまで伏せられています。
苦杯を舐めさせられたひとりの少年とその継母、その逆転劇を追いながら、読者は彼らやその協力者の正体について探っていく。自身の歴史的知識を駆使して、その最後に答え合わせを知り、意外な正体に驚けるというのが、本作の醍醐味と言えるでしょう。

また、その名や幾つかのエピソードを知りつつも、知らなかった意外な事実も発見できます。

寸暇を見つけて是非とも多くの方に手に取り、戦国乱世の黎明期、その一幕を楽しんでもらえればと思います。

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