こじき若殿 - rising sun -

作者 四谷軒

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★★★ Excellent!!!

歴史に関する著者の造詣の深さが伺える、優れた短編です。
家臣により城を乗っ取られた若殿が物乞いをしながら寒空の下を放浪。そして謎の僧との出会い……。正統派貴種流離譚を思わせるストーリーとミステリアスな展開に、心が鷲掴みにされます。
派手な合戦シーンはありませんが、下剋上の非情な世を、生き延びるために懸命に知恵を巡らす人々の息遣いが聞こえてくるようで、歴史小説の新たな魅力を発見出来ます。
そして驚きの結末と清々しいラストシーンは、至福の読後感をもたらしてくれます。

★★★ Excellent!!!

怒涛のごとき息も継がせぬ筆運びが、歴史好き読者の度肝を圧倒的に抜いた、あの快作『河越夜戦 〜相模の獅子・北条新九郎氏康は、今川・武田連合軍と関東諸侯同盟軍八万に、いかに立ち向かったのか〜』の非凡な才がいっそう冴えわたる傑作短編。

冒頭のゆったりした空気に浸っていると、とつぜん、してやられます。(^_-)-☆
全編に伏線が周到に張り巡らされていますが、副題の「- rising sun -」にもご注目!
「まずエンディングありき」を実感させてくれる作品に、あなたもきっと呻ります。