仏日のひかりと煩悩の雲の間で

「一遍上人」と、その妻「超一房」の物語です。

捨聖と尊称されるストイックな僧のイメージと、大勢が楽しげに体を揺らす踊念仏のイメージ。

これまで、私の中ではこの2つが結び付かず、何とも捉えづらいお坊さんだなぁ。と思っていました。
そこを、この物語は繋いでくれたように思います。

人々の救済する為の信仰と、愛という名の煩悩に揺れる、2人の様子が深くて、読み応え充分です。


波乱に満ちた一遍上人の生涯を、美しい文体で楽しみつつ、今日を生きるはっとした言葉が詰まった素敵なお話です。