説明しないを選べるのがすごい

小説の書き方の本などを見ると、必ずと言っても良いほどに書いてある。

『説明し過ぎない』

これが実はかなり難しい。書いているとやっぱり読んでくれる人にこちらの意図をわかってほしくて、ついつい説明してしまう。補足とかしてしまう。

あんまり引っ張り過ぎると飽きられるのではないか? と不安になったり、入りでわからな過ぎると読んでもらえないのではないか? と疑心暗鬼に陥る。

だけど、小説の最大の魅力は謎だと思いませんか?

映画やアニメや漫画と違い映像がない分、謎を作りやすい。しかも引っ掛けやすい。だからこそ、情報は小出しにして、なるべく含みを持たせて謎で引っ張る。謎で騙す。

できる事なら説明など一切せずに「なんなのか? わからないけど、先が気になる」と読んでくれる人に思ってもらえたなら、それが最強なのだと思う。

雅誅サッツさんの『ハラヘリヴィーナス』は20話まで読んだけど、舞台装置、人物、小物の説明はあるが、どのような状況? 何を求められる? 何をする? どこに向かう? という物語の核心部分についての説明がない。

単純にこれはすごい。少なくともここまで書いたら、黒井は不安だから、多少なりとも説明してしまうと思う。

この話はどこに向かうのか? そう思いながら、想像しながら、妄想しながら読み進める楽しさがあると思う。

おすすめです(*´ー`*)