概要
やがて少女の名を呼ぶ
最初に会った時、それがいつだったかはもう忘れてしまったが、少女が私に物語をせがんだのだ。とはいえ少女は話せないみたいで、一方的な私の言葉に、首を縦か横に振る、という形のやり取りなのだが。物語なんて怪談しか知らない私の語り聞かせた怪しい物語を少女は思いのほか気に入ったようで、定期的にこの部屋を訪れるようになった。少女が何号室の娘さんなのかは知らないが、ちゃんと帰れているなら、私が心配することではないだろう。
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