得体の知れないもので溢れている。

結局、そばにいる人間なら誰でもよかったのかもしれない。
親も子も、兄妹も。恋人すら。
だからこそ、「普通じゃない関係」にとまどい、怯え、見ないふり、忘れたふりをしたのだろうか。
雪で隠れるからと言って、黒いアスファルトがなくなるわけではないのに。

そうやって直視出来ず、その感情の正体がわからないまま、とりあえず名前だけをつけて。
そうして皆、過ごしているのかもしれない。

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