すべてを止めたものは、死者からのメッセージ

全国高等学校サッカー選手権大会の県予選第1回戦を翌日に控えた桜聖高校サッカー部。レギュラーメンバーのひとりである草薙悠はうまく眠ることができずにいたのだが――そのスマホへメッセージが届く。『わたしを殺したのは誰ですか?』。2ヶ月前に投身自殺した部のマネージャー、西野藍からのクエスチョンが。

藍さんからのメッセージを受け取ったのは、悠くん始め松宮涼真くん、仙崎啓次くん、秋山翼くんの計4人。彼らは協力して真相の解明にあたるのですが……解明が進むにつれ思いがけない事実が露わとなって、誰かが追い詰められていく。ただ緊迫感があるというだけじゃなく、それを4人の会話劇と回想の中で押し引きさせ、悪寒を“じわじわ”募らせてしまう構成に目を惹きつけられずにいられませんでした! そして、このじわじわ感あればこそのオチの爆発力! それはもう極悪な後味を食らわせてくれるのですよ。

物語としてのおもしろさは保証付き。ですので安心して衝撃のエンディングに打ちのめされてくださいまし!


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)