ちょっとダメな大人たちだけど

ズバズバと言いたいことをはっきりいう「私」に好感が持てました。
見知らぬ男の世話を焼いたりと、少々危なっかしいところはあるものの、そこはチャームポイント。
助けた見知らぬ男が、実は「私」の会社の次期社長だったという部分は既視感はありますが、ある意味王道もの。

次期社長こと志成は高井財閥の屋敷から出してもらえなかったため、少々世間知らずだが、どこか憎めない。
失言をした「神」をきちんと諫めたり、「私」と神を仲裁したり、財閥の息子なのに部下に誘われた飲み会に顔を出したり……。
ちょっと世間とズレているけど、やる時はやるし、人付き合いも心得ている。
そんな優秀な彼だからこそ、家出したと考えると納得がいく。

神は横柄で正直嫌な人物だが、志成と共に様々な会社を渡り歩いていたためか、お金の管理能力は優れている様子。
また、どんな相手でも評価できるところは評価する公平性も持ち合わせている。
やっぱりどこか憎めない。

みんなそれぞれ、ちょっとダメなところがありつつ、魅力的な部分を持ち合わせている。
正に、人間味に溢れているといえるでしょう。

それが、この作品の良いところかと思います。