概要
「おはよう、大っ嫌いだよ」
「どうしてこの何も無い世界に住むボク等が運命共同体だと思う?」
これは命の相対性を問題提起した短編小説である。
これは命の相対性を問題提起した短編小説である。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!”生きる”と”生きている”は、似ているようで違うことに気づかされる物語
1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
運命共同体とは……運命をともにすることを相互に了解し合った複数の個人または団体。(コトバンク調べ)
相対性とは……反対語は絶対的。簡単に言うと”他と比べたさま”という意味らしい。(web調べ)
あらすじから想像するに、相対性が必要だから運命共同体なのではないか?
と想像する。
2 物語は(どのように始まっていくのか?)
時のない世界で、互いに感情をぶつけるところから始まっていく。この物語で読者に提示されているのは”生きている”とは何かということ。その本質について考えさせられる物語である。あなたは一体どんな答えを出すのだろう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!提起性の強い作品
強い思想性というよりも、強い提起性という感じのする作品だった。そして面白い。
本作を読んで私は、死とは何か、生とは何かということ、そしてなぜ我々は「生きている」と思い込めるのか、という問いが浮かび上がった。
この提起、特に後者の提起がとても興味深い。生や死について思索するのはありふれたことだと思うが、その思索の前提にある、「なぜ生きていると思い込めるんだろう」と考えることは少ないのではないか。
そして、アプローチとして本作が取り上げているのは「時間」と「他者」だろう。これはある種王道な二つの要素かもしれないが、それもまた良い。
特に前者。生きているから時間を観測できる、感覚できると思…続きを読む