読むべし。後悔させない。

ノー・サレンダー。降伏という選択肢はない。

写真家になる夢破れ、バイトで過ごす主人公の彼女。
ある日。幼馴染みの夢をみる。
いつも憎まれ口をたたいて、子供っぽく張り合っていた男友達だ。
彼は彼女を置いて電車に乗って行ってしまった。
ノー・サレンダーだからと言い残して。


社会から取り残されたような寂しさ。好きなことを仕事に出来なかった悔しさ。
そんな日常のなか、同窓会帰りの幼馴染みと再会する。
ノー・サレンダーだと、彼はまた言った。

写真撮って送れよ。彼の言葉に彼女は取り壊しの決まった近所の団地に向かう。
次第に朝日に染まる無機質だが馴染みの場所。
子供時代の思い出がたくさん詰まった場所。
たくさんの夢を抱えていたあの頃の気持ちで、彼女はシャッターを押す。
彼のことを想いながら。

時は流れ、陽はまた昇る。諦めないこと、続けること、それこそが大事なのだ。
感動した。読むべし。後悔させない。

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