その温もりが、優しさが痛い

誰からも蔑まれ、暗い暗い住処で過ごす怪獣。
日々の苦痛がやがては安心感となり、居場所となる。
その刹那、舞い込んだ外界への好奇。
果たして、どちらが地獄なのだろうか。


与えられたことが無いが故の、恐怖。
その感情に揺さぶられる様が、見事に描かれています。
そして、作中の対比構造となる暗く淀んだ世界と眩しすぎる世界。
その両方を行き来することによって見えてくる本質は、初めて読んだ時は衝撃でした。心を深く抉る作品です。

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