自分のためにならないような努力はやめた方がいいわ

思考実験小説といえる作品。
現実的で「もしかしたら」と思わせ、類似行為防止を促しているかもしれない。
想像であり、実行するかわりに小説に昇華させたのだ。
ラストにオチもあって、うまくまとまっている。

「未来に悲観し希望を見出せず無差別殺人に走ってしまう人と悪いことをしたのに裁かれず生活している人」に悲しみと怒りを抱いた人は「無差別殺人するなら悪い人を相手にしろよ」と思ったことがあるに違いない。
漫画『デスノート』が人気になった背景にも、同じことがいえると思う。

テーマは現実的だし、細部に至るまで嘘がない感じ。
やろうと思えばできてしまう。
弱者やマイノリティをいたぶる現象は既に起きている。
弱者に厳しい風潮の世界を書いているからこそ、読者には刺さる作品だ。

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