無敵のあなたへ

無敵のあなたへ

本作は出版社「破滅派」有料冊子にて公開しております。

カクヨムでの公開は終えたのですが、感想をたくさんいただいたため、跡地を残しておきます。

無敵のあなたへ

　自分でもよくわからない感情に突き動かされてぼくはノートパソコンを操作する。マウスを操り画像を貼り付け、自分のサイトを更新する。

　権力者が犯罪行為を行う。そしてそれが裁かれない。起きたことを見れば犯罪行為があったことは明らかなのに、起訴が取り下げられたり、ほんの一部の微罪のみが法廷で争われる。そうした報道を見るたび、多くの人が思ったはずだ。「法で裁けないなら、いっそ誰かが」と。

　で、これとは別に。

　全く無関係の人を襲う無差別殺人の報道。加害者が「誰でもよかった」と語り、深い徒労感と共にそれを聞く。

　このままではいけないと誰もが思う。世の中がおかしくなっていることを感じながら、自分ではどうにもできないと虚しい気持ちで諦める。ぼくもそうだった。ほんの少し前までは。

　ぼくの仕事は企画職兼ウェブデザイナーだ。

　お客様の悩みを聞き、解決案を考え、ちょっとしたサンプルサイトを作ってプレゼンする。お客様から契約が取れたら、チームに引き継いでまた別のお客様へ。それがぼくの仕事。同僚は冗談めかしてぼくを天才デザイナーと呼んだりする。ぼくはそれほどとは思わない。ちょっと想像力を働かせてユーザ体験の先を読む程度のことだ。アイディアが一番浮かぶのはシャワーを浴びている時。その日はニュースを見たあとでシャワーを浴び、そして閃きが降りてきた。

　そんなわけで、ぼくは「いっそ誰かが」と「誰でもよかった」をゆるく結びつけるサイトを作り始めた。

　仕事ではなく。

　ちょっとした冗談のようなノリで。

　動機の出所さえ曖昧なまま。

　これはぼくの後悔の記録だ。

　サイト名は『無敵のあなたへ』。

　『無敵の人』から名付けた。

　『無敵の人』──失うものが何もなく、未来に希望を見出せない人を指すネット上の俗称だ。

　些細なきっかけでとんでもない事件を起こす彼らを見ると、きっかけはきっかけに過ぎないことを思い知らされる。彼らの多くは金銭的、人間関係的に行き詰まっており、事件の動機はほとんど「自殺の道連れ」のように思えた。

　ゆるく結びつけると言っても『無敵の人』は警戒心が強い。ぼくのサイトに来て何かを登録するようなことは期待できない。そこで一方的に情報を垂れ流すことにした。また「こいつがターゲットだ！」などと書くことはない。それではぼくが殺人教唆の罪に問われてしまう。

　ぼくが書くのは至ってシンプルだ。

　１つ。ターゲットとなる権力者の現在の顔と名前と肩書き。その人物が何をしたのかの情報。裁判になっていれば裁判記録へのリンクも載せる。

　２つ。ターゲットの直近のスケジュールとその場所。場所については実用性を考えて、最寄り駅からのアクセスと数日前から宿泊できる周辺の安宿の情報なども書いている。それに現地の建物の見取り図なども用意した。トイレの位置や待合室の場所などがわかればベストだ。写真にゴミ箱などがあれば、ゴミ箱の位置も見取り図に追記した。イベントのタイムテーブルが公開されていればそれも載せた。どれも公開されている情報だけだ。もちろん全て転載元へのリンクも記載し、その気になってくれた人が情報の裏取りをできるようにしておく。

　サイトには上記２つの情報しか載せない。掲示板などのコミュニケーションもなし。ぼくへの連絡もできない。ただし、ターゲットのスケジュール情報は毎日更新する。継続する事で真剣味が伝わることを目指すこととした。

　サイトの意図はどこにも書いていない。でも伝わる人がいるはずだと思う。

「いつか誰かにぼくの邪悪な意思が伝わり、『何か』が起こって欲しい」作業に没頭しているとそんな気持ちになることもある。『祈り』に近い感覚だと言うと非難されそうだけれど。

　足がつかないようにするのにはかつての『破産者マップ事件』を参考にした。

　破産した人の情報を官報から吸い出し、マップと結びつけた事件だ。あの事件はプライバシーの侵害と、なによりも「こんなゲスな真似を社会が許してはならない！」という怒りから公開から四日で行政処分となりサイトは閉鎖された。

　しかしその後、破産者マップはモンスターマップとしてひっそりと復活し、日本の司法の及びにくい、いわゆる防弾サーバと呼ばれる場所で運営されている。今も政府の個人情報保護委員会は手出しができていない。大変参考にさせていただいた。

　自分でも卑怯なことをしていると思う。更新作業を終えた後で、良心の呵責を感じることもある。でも誰の何に対して申し訳なく感じているかはわからなかった。

　いつか犠牲になる権力者に対して？　それはない。彼らは死んでも贖いきれないほどの罪を犯しているとぼくは思う。

　では、いつか加害者となる無敵の人に対してか？　これは正直、無いとは言えない。しかしどうも本質ではないと思う。

　サイトの更新を続けることで、ぼくは何かに取り返しのつかない傷をつけている気がするのだが、それが何かがわからない。事件が起きても起きなくても、このことは考え続けていかなければならないとぼくは思っている。

　サイトの噂は割とすぐに広まった。

　毎日更新の効果があったのだろう。匿名掲示板で妙なサイトがある、という噂が出たと思ったら「これってある種のキルリストだね」とひと時盛りあがっていた。

　数日後には業者が運営する模倣サイトも出てきた。模倣サイトは気に入らない政党の政治家を吊るし上げるサイトとして話題になり、表現が先鋭化し、一ヶ月もしないうちに管理人が逮捕される事態も起きた。逮捕者が出たことで業者が運営する模倣サイトは大人しくなった。方針転換して政治討論サイトへと鞍替えしたところもある。

　ぼくのところはただマイペースにスケジュールの更新を毎日続けるだけだった。その頃は更新も手馴れたもので、ある程度自動化することさえできた。バカバカしいと思ってやめたくなる時もあったが、権力者のやったことを読み直すと続ける意欲が湧いてきた。

　一年も続けていると『無敵のあなたへ』はそれなりに有名なキワモノサイトとして定着した。匿名掲示板やＳＮＳで話題になるたびにガツンとアクセス数が上がり、数日でストンと落ち着く。落ち着いたあとでよく見ると日々の平均アクセス数が二十から三十くらい増える。定着してくれた人がいたわけだ。その人が無敵の人だといいなと思う。

　仕事や家庭が忙しい日もあったが、うまく隙間時間を見つけては更新した。サイトのアイディアを思いついた時は、罪の意識で落ち込むかとも予想していたが、実際はニュースを見て憂鬱な気分を引きずることもなくなったし、真面目に社会問題について考える機会も増えた。

　なんと国会答弁の動画まで見るようになった。

「ぼくには一票のほかにチカラがある」　

　そう思えることがぼくを前向きにさせたのだ。

　卑怯で傲慢だとぼくも思う。

　国会答弁の動画を見る習慣ができたことで、別の変化もあった。

　好きな政治家が出来たのだ。

　国会答弁は分かりづらいやりとりがされているという先入観があったが、野党側の質問は平易な言葉でシンプルなものだった。

「いい質問をする議員がいるな」と思い、その議員を調べたら動画サイトにチャンネルも持っていた。

　ぼくの日課に、彼の動画を見ることが追加された。彼は弱者に寄り添い、不正を許さず、人々からの信頼も厚かった。票に繋がらないようなホームレスや入管に差し止められている移民に対してすらも彼は心を砕き、それを国会の答弁に繋げていくような離れわざまでやってのけた。

　こんな人がいるんだな、と動画を見ながらため息が出た。ぼくは基本的に動画の音声だけを聞いているのだが、彼の必死な訴えに思わずスマホをポケットから取り出して画面で表情を見てしまったことが何度もある。

　彼の国会答弁の動画のほとんどは、彼の質問に与党が全く答えないまま採決の時間を迎え、そこで人数に押し切られて採決されるというものだった。

　孤軍奮闘、という言葉が頭に浮かんだ。立派だ、と思うと同時に「このやり方だけでは無理だ」とも思った。

　ではどんなやり方があるだろう。それはわからなかった。ただ、ぼくのやり方が正解じゃないことはぼくもわかっている。

　その後しばらくして彼が選挙に落ちたというニュースが流れてきた。ちょうど仕事が火を吹き、現場にカンヅメになって仕事をしていた時期なので、ニュースを追えていなかった。投票は事前投票で済ませたが、しょせんはぼくの一票は一票に過ぎないのだ。

　彼は選挙に合わせて政党を立ち上げ、党の獲得票での当選優先順位をほかの人に譲っていたため起きた事態とのことだった。彼自身が語ることには、順番を譲っても自分までは当選し、それ以降の順位まで当選させるつもりだったが予想以上に投票に行かない人が多かったとのこと。

　これで彼も終わるのか、とぼくは思った。

　議席を失ったことで国会質問や官僚への調査依頼が出せなくなる。客観的データを出しながら相手を批判する彼の得意スタイルが使えなくなる。厳しい戦いになるだろう。

　ところが違った。

　彼は「ちょうど時間ができた」と言って、全国の駅前や広場を回りはじめたのだった。

　演説ではなく質問会としたスタイルは、集まった人々から困っていることを拾い上げる独特のものだった。困っていることの裏側には、今の与党が決めた法律があり、それを大きな画面でスライドを見せながら説明する。

　即座にスライドが出てくることからやらせを疑う声もあった。というか、やらせを疑う質問自体も質問会に出た。そこで「ウチの事務所は国会質問を多数行なっており、５万枚を超えるスライドが用意してある。この中から関連のあるものに繋げてお話しをしている」という回答があった。

　彼に批判的な質問も出る。

　酒に酔って絡むだけの人すらいる。

　しかし彼は真っ向から否定せず、批判する人が抱えている問題を辛抱強く探った。

　理想的な政治家だな、とぼくは思った。ぼくは根が単純なのだ。

「永田町で一番嫌われる存在になりたい。党の間の貸し借りや駆け引きの通じない、一番厄介な存在になって政治に緊張感を与えたいんです。その先頭に立たせてください」と訴える彼には、多くの賛同者が出来ていた。

　全国各地で行った質問会の映像を見て、一瞬、ぼくも行ってみようかなと思ったが、すぐに考え直した。

　政策や財源など、訊きたいことはすでに他の人が訊いている。

　改めてぼくが質問することに意味はない。

　それとも言うか。

「ぼくは『無敵のあなたへ』の管理人ですが誰をターゲットにすればあなたの助けになりますか？」などと。

　彼の言った「政治に緊張感を与える存在」というキーワードが心に残った。

　権力を監視するのが市民の役割だと彼は言う。

『無敵のあなたへ』を更新することで、ぼくはその役割を果たしている気になっている？

　否定できない自己分析だと思う。ぼくのやっていることは違法ではない。

　破産者マップなどと違い、『無敵のあなたへ』の中のスケジュールの更新は、権力者側にとって都合のよい情報だとさえ言える。

　一年以上続けても、行政指導がされていないこともそれを裏付けるように思う。もっとも、行政指導の名目がつけづらいので放置されているのだとぼくは踏んでいるのだが。影響力もないわけだし。

　しかしいつか起きるテロ行為に期待するというのは、正しいやり方だとは思えない。

　では、逆に正しい市民のあり方とはなんだろう？

　仕事を通して社会に貢献し、その対価をもらうことで生活する。そして社会の不完全さや問題に絶えず目を向け、周囲と協力して解決への道筋をつける。もちろん選挙が始まれば政治への参加として自分の持つ一票を有効に使う。

　……そんなヤツどのくらいいる？

　むしろ、自分の生活以外のことに注意を向けることを揶揄する風潮すらあったようにぼくは感じていた。

　その風潮が今の政治や世の中を作った遠因だと言えるだろう。

「世の中の不正に目をつぶるのは正しいことではない」オーケー。それはそう。

「だから行動しないことは正しくない」これもオーケー。

「ぼくはある種の行動をしているが、やり方が正しくない」オーケー。即答できる。

「行動しない人を罪には問えない」もちろん。

「罪に問えないのはぼくも一緒だ。」……今のところは。

「と、なればぼくは大して良くも悪くもない、普通の範疇と言えないだろうか」……やめよう。無意味な問答だ。

　選挙に落ちた彼のように、まっすぐ政治や世の中に向き合うことを諦めた罪悪感からこんなことを考えるのだろう。彼の正しさが実を結び、手遅れにならないうちに彼の望む世になることを祈った。サイト更新の時に感じる『祈り』のような感情と、今の『祈り』はどこが違うだろう。

ぼくにはわからなかった。

　月日が流れるのは早い。仕事、子どもの受験、サイトの更新に追われるうちに時間は経ち、ついに事件が起きた。

『無敵のあなたへ』でターゲットにしていた権力者が殺害されたのだった。

　講演会の会場でビニール袋に入れた液状の毒物を使った殺人だった。

　犯人はその場で毒を顔に塗り、搬送先の病院で死亡。権力者も死亡。

　そのほかに犯人を取り押さえた会場の警備員が二名亡くなった。

　このことはぼくに衝撃を与えた。今考えれば当たり前のことだが、ぼくは巻き添えになる人のことを考えてもいなかったのだ。

　パニックになりながら、この後のことを予想する。

　報道では『無敵のあなたへ』とこの事件を繋げたものが流れるだろう。

　もしぼくが特定され、記者に質問されたらなんと答えよう。

「僕がやったことは情報の転載だけです」

　政治家だけが死んだのならそう答えられたと思う。しかし今は違う。

　いや、違わない？

　――今はどうだっていい。

　混乱している頭で職場に連絡を取り、一週間の休暇をとらせてもらった。その次は旅行会社に連絡。あらかじめ決めていたプランに従って行動する。

　そのほか、不動産屋に行き、安アパートを一軒借りることにした。数カ月はぼくはそこに住むことになるだろう。

　旅行中、妻にはありのままを伝えた。今後報道で迷惑をかける可能性があるからと離婚届も書いた。妻は「預かっておく」とだけ答えた。

　旅行から帰ったその後はご想像の通りだ。

　どこからかマスコミが嗅ぎつけ、昼夜を問わずマイクとカメラがぼくを追った。

　ぼくは会社をクビになり、妻と子どもは去っていった。

　法に裁かれはしなかったが、世間からの報復を受けたわけだ。

　ぼくはサイトの更新をやめて閉鎖した。しかし類似サイトは雨後のタケノコのように現れ、やがて次の事件が起きた。そしてその次も、その次も。

　こうなってくると呆れたもので、この件についてマスコミにコメントを求められるようになり、ついにはスタジオで話したり討論したりするようになった。

　その頃、類似サイトは俗に天誅サイトと呼ばれて小規模ながらブームとなっていた。芸能人の些細な悪行を攻撃するサイトまで現れており、色々なイベントで被害が起きていた。

　ぼくはスタジオに呼ばれて討論し、元祖天誅サイト運営者として世間の怒りを代表した他の出演者にボコボコに叩かれる。

　ある時、ぼくの好きな政治家もスタジオへと呼ばれていた。

　彼は言った。

「もしかしたらあなたは自分がやった天誅サイトで政治に緊張感をもたらすことができたと思っているのかも知れないので、はっきり言っておきます。確かに大手を振った悪行は減りました。数に任せての横暴は減りました。しかし、公開される舞台での積極的な議論自体が減っているという傾向が見えます。それは市中のあらゆることにも言える。芸能人への天誅、イベントへの天誅、目立った人への天誅が溢れる世の中になってきている。中には、根拠となる悪行が全くのデマである天誅サイトまで現れてきている。この状況のすべての責任があなたにあるとまでは言いませんが、天誅サイトのアイディアを世に広く知らしめた責任の一端はあなたにあります。あなたがサイトを更新するたび、あなたはみんなの自由を攻撃していたんです。その自覚はありましたか？」と。

　この時ぼくはいつものように

「ぼくは情報を転載していただけで、政治家のイベントの宣伝になると思っていましたが、全く用途の違う使われ方をされてしまってショックを受けています」

などと受け流すことはできなかった。

「ぼくはあなたのファンでずっと応援していたんです。あなたのようにまっすぐに世の中の問題と立ち向かうことができないぼくには、卑怯でもこうするしかなかったんです！」と言ってしまえればどんなに楽だったろう。

　でもそれは彼のためにもならない。みんなの自由を傷つけた代償として、ぼくにはこの人を応援し、気持ちを伝える自由がない。

　答えられないぼくに、政治家は言う。

「あなたのサイトに誘引されてしまうような人たちが出てくる世の中を作ってしまったのは、政治に無関心だった頃のわたしであり、皆さんなんです。『生きていてもしょうがない。このまま死ぬぐらいならいっそ』なんて思ってしまうような世の中を作ったのは。だからわたしは『生きていたい、生きていていいんだ』と思えるような世の中にしたいんだ。しなきゃならないんです。この事件を見て、わたしが思うことはそういうことです」

　番組のあとでディレクターが楽屋で話しかけてきた。

「いやースタジオではおつかれさまでした。しっかし、あなたホントにツイてない。貧乏くじ引きましたね」

　ディレクターはぼくにペットボトルのお茶を渡しながら、隣に座った。

「自分でやってない犯罪まであなたのせいみたいに言われちゃってますものね。あ、ほら。振込め詐欺ってあるでしょ？　あれって元々は芸人を使った悪ふざけ企画だったのよ。相方芸人のおじいちゃんおばあちゃんに電話して、相方のマネをしておねだりするっていうね。気づかれないままお願い聞いてもらったらドッキリ成功みたいな。それが今じゃ毎年被害総額三百億円超の犯罪でしょ？　テレビの企画マンは誰も責任なんて取ってませんけどね。ホント、あなた貧乏くじ引きましたよ。せめて警備会社の株でも買ってました？　え、それも買ってないの？　下手だねー」

　ぼくはディレクターを殴る。警備員に拘束され、警察に引き渡される。ついにぼくも無敵の人の仲間入りを果たす。

──ぼくは目を開く。

　パソコンの画面を眺める。『無敵のあなたへ』をアップロードするボタンはまだ押されていない。

　そう。まだ一度もアップロードしていないのだ。寝室を覗くと妻も子も安らかな寝息をたてている。

　長い想像だった。新しいサービスを考えついた時、ぼくはこんな風に想像に取りつかれてしまう。同僚からは羨ましい能力だと言われたりもするが、自分で制御できないのだから、あまり羨ましがられても困る。

　ぼくはため息を一つつくと、アップロード前の『無敵のあなたへ』を削除した。

『無敵のあなたへ』によって人々の自由は損なわれ、ぼくは世間の怒りを買って人生を破壊される。そんなのはごめんだ。

　そしてぼくは小説を書きはじめた。そう。今あなたが見ているこれがそうだ。一生懸命書いたので出来るだけ多くの人が読んでくれたら嬉しい。

　あ、そうそう。忘れないうちにぼくからのアドバイスだ。警備会社の株を買っておくといいだろう。