追加話2(第6話)「名探偵ラプラス最初の事件」

ラプラス「セブンスモーター社のエンジンを追って下さい」


蝶間「セブンスモーター社?」


ラプラス「ラジコンエンジンメーカーです」


蝶間「どういうことだ」


ラプラス「無人機を仕様した旅客機撃墜テロが起こります」


蝶間「まるで巡航ミサイルだな」


ラプラス「重要なのはエンジンではなく、誘導プログラムをつくったプログラマー隙本航空すきもとこうくうの回収です」


蝶間「テロリストの仲間か?」


ラプラス「いいえ拉致です、隙本は元来趣味性が強く純粋に興味本位でプログラムを書いたと考えられます」


蝶間「興味本位でミサイル作られてはたまったもんじゃないな」


ラプラス「私は隙本をこちら側に引き込むことを推奨し情報自衛隊準備室はそれを了承しました」


蝶間「仲川帝都と同じか……」


ラプラス「貴重な人材の確保です」




***



「一慰、旅客機テロはCIAと貴方のいる公安機動捜査隊と国際テロ対策の外事第四課に任せこちらは隙本航空を回収に向かいます」

 浦切蝶間巡査長を一慰と呼ぶ電話がラプラスとのメールを寸断しあの白いワゴン車に乗っていた自衛官達がすでにラプラスの指示で動いていることを知らせた。



***



蝶間「CIAは情報を信じるかな?」


ラプラス「CIAも私と仲川帝都を狙っていたので信じます」


蝶間「ひどい話しだ」


ラプラス「全くです」



***



「浦切君、聞いてるの?」

 助手席で「ぼー」と考える浦切蝶間巡査長に運転席の田元中淳子警部が声をかける二人を乗せた車はすでにエンジンの届け先である町工場に向かっていた。


「あっ、はい、自分らの任務はエンジンを探しだすことです」

 浦切蝶間巡査長は頭を切り替える、プログラムに関してはテロリストと各国の情報機関に渡ると思うがこちらは貴重なプログラマー隙本航空を押さえることが出来る。


「浦切君、もうすぐつくわ」

 田元中淳子警部はテロなど認めはしない構えだ。


「はい、必ずテロを防ぎましょう」

 浦切蝶間巡査長は考えるのを止めた、今は情報自衛隊準備室の一慰ではなく、公安機動捜査隊の浦切蝶間巡査長なのだから。




 そしてこのテロを事前に予知し防いだ事件が[名探偵ラプラス]最初の事件となった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ラプラス+ノベリスト 山岡咲美 @sakumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ