トイレをリフォームした事により、普通の家族「脇田家」が人魔はびこる異世界へと転移してしまい、悪戦奮闘しながらも前へと進んでゆく物語です。
このお話の軸である脇田家が送っていたのは当たり前の日常、そして飛ばされた異世界で送るのも、生きる為の日常です。そして目指すのも当たり前だった日常への帰還です。
誠実に生きてきた家族が異世界の人々とコツコツと交流し、そこで得た信頼の積み重ねが元の世界での日常へと戻る為のプロジェクトに繋がるくだりは圧巻で胸が熱くなります。
そして、エピローグで語られる異世界での生活が過去にとなり始めた脇田家のそれぞれの日々、コレがイイ!
派手過ぎず、かと言って地味ではない暖かく熱い脇田家の物語、面白いですよ。
リフォームした自宅のトイレで、トイレットペーパーを流しただけなのに。
まさかの家ごと異世界転移しちゃった家族の、笑いあり涙ありの奮闘記です。
いきなり一家離散してから、家族一人ひとりのエピソードが丁寧に描かれているのが素晴らしいです。
チートスキルも何もないごく普通の人たちが、見知らぬ土地で自分に出来ることを見つけて生活しようとする柔軟さ。
『家族』が、大事な居場所であるということ。
夢物語みたいな力はなくても、人間は強く生きられるのだと胸が熱くなりました。
それぞれが持ち寄った情報で、隣国を蝕む恐ろしい『人魔』の存在や過去の出来事が明らかになるにつれ、この世界の秘密が見えてきます。
脇田家転移の元凶となったトイレメーカーの社長がやってきてからの展開が、また堪らなく熱い!
汚染された世界を浄化するための、技術力とマンパワーを結集したプロジェクトに、もはやBGMは『地上の星』でした。
現地の人々とも力を合わせて世界を救った、感動のクライマックス。
胸が暖かくなり、涙が滲む、素晴らしい読後感でした。
人間はここまでやれるということ、そして家族の絆の大切さが詰まった物語です。すごく面白かったです!
どこにでもある、日本の平凡な一家脇田家は、ある日トイレをリニューアルすることに。
家にハイテクのトイレが備わって、便利になったと思いきや。実はそのトイレには、トイレットペーパーを流すたびに家具や家族が異世界へ転送されるという、迷惑きわまりない余計な機能がついていやがったのです。
トイレットペーパーを流して異世界転移なんて、笑えますよね。けど、転移させられた脇田家の面々にとっては、笑い事ではありません。
家も家族もみんな異世界へ飛ばされたと思ったら、お父さんや長男は徴兵のために連れていかれ、残された家族は見知らぬ世界で生きるため、働き口を探していきます。
家族が離れ離れになって、見知らぬ土地で苦しい思いをするなんて、可哀想です。
それでもいつかまた、家族全員で再会できる日を夢見て、異世界でたくましく生きる脇田家の面々。
脇田家頑張れ! みんなでまた、笑い会える日のために!
……それにしても、どうしてトイレをリニューアルしただけで、こんな事になっちゃったのでしょうね?
話を読み進めていくと、その理由も徐々に明かされてきますけど、コミカルなお話かと思いきやこれは……。
ギャグコメディではすまされない意外とシリアスな、トイレから始まる異世界転移物語を、是非ご覧ください。
トイレをリフォームし、ウォシュレットを設置した脇田家。その際、業者からサービスとしてトイレットペーパー1ロールをもらったのですが、これがまさかの出来事の始まりでした。
なんと、そのトイレットペーパーを使う度に、家にある何かが、あるいは家族の誰かが消えていくのです。消えていった物や人が行き着く先は、異世界。そしてトイレットペーパーを全て使い終わったその時、家も家族も、脇田家そのものが異世界へと飛ばされてしまいます。
トイレットペーパーを使うと異世界に。こう聞くとなんだか可笑しく思えるかもしれませんが、そんな印象に反して、書かれている内容はとってもハード。訳もわからないまま見知らぬ世界に来てしまったばかりか、男達は、徴兵され無理やり戦いに駆り出されることに。当然、家族は離れ離れになり、徴兵先でもまた、過酷な運命が待ち受けています。
トイレをリフォームしただけなのに、トイレットペーパーを使っただけなのに、いったいなぜこんな目にあわなければいけないのか。当然、読者にも真相は伝えられず、脇田家と共に翻弄されることに。
このおかしな事態の謎が明らかになる時は来るのでしょうか。そして、引き裂かれた脇田家の面々が、再び揃う時は来るのでしょうか。
異世界での過酷な物語が始まります。
トイレを新調した脇田家の面々。
みんな新しいトイレに満足しているのですが、その日以来色々なものが無くなってしまいます。
そしてその現象はエスカレートしていき、ペットにおじいちゃんまでも!?
最終的には家族全員、家ごと消えてしまい、脇田家の面々が行き着いた先はなんと異世界!
こうして、前代未聞の家族で異世界生活が始まります!!
異世界での生活はわからないことだらけで、脇田家の人々は戸惑いますが、各々が柔軟に判断しながら問題を乗り越えていく姿にたくましさを感じました。
楽しいことも、嫌なこともどちらもあって、リアルな心理描写が本作の見所だと思います。
ラストが近くなるにつれ、どうしてこうなったのかが語られていくところも興味深かったです☆
今までにない感じの異世界転移譚を読んでみたいという方に特にオススメです☆
どこにでもある、いや、もしかしたら核家族化が進んだ現代では少し珍しいかもしれない脇田家。
物語は、脇田家に新しいトイレがやってくるところから始まります。
喜ぶ家族たち。けれども、トイレを使うたび、ひとつひとつ、家の中から物が消えてゆき、やがて……。
最初は少しホラーテイストですが、物語の基底に流れているのはヒューマンドラマです。
異世界に飛ばされてしまった脇田家のひとりひとりの暮らしが丁寧に描かれているうちに、いつしか脇田家の面々と一緒に、一喜一憂してしまいます。
果たして、脇田家は日本へ帰ることができるのか。そして、この世界に秘められた謎とは……。
どうぞ、結末はご自身の目でお確かめください(*´▽`*)
家のトイレを新調したら、押しボタンがすべて「転生ボタン」になっていて、家族が家ごと異世界に移転してしまった。トイレ会社の陰謀か?
異世界では国境を接する国が人魔という化け物を使って、転生先の国を危険に晒していた。そこで、息子と父は人魔退治の遠征に連れて行かれてしまう。意気消沈する家族だったが、生きていくには稼がなければならない。吹奏楽部の娘は国立の楽団に入り、キルトづくりが趣味の祖母は王室に先生として招かれる。祖父は畑に生きがいを見出し、母は店で働く。それぞれが自分の現世のスキルを活かして、異世界に適用しながらも、少しずつ異世界や人魔の情報を得ていく姿が頼もしい。
異世界には黄泉の国から、様々なものが流れ着くらしい。そしてそれらは、日本的な物らしい。
一転、物語の舞台は、川で用を足すムラ的社会に移る。一人の男が父に反感を覚え、藁を父親に見立てて川に流す。すると、家から忽然と父が消えた。人に見立てて川に流す行為は、禁忌だったのだ。男はムラから疎外され、村を憎むようになっていく。そして男は……。
舞台は異世界に戻り、人魔に襲われた父親は病院で監禁されていた。父親は病院からの脱出を企てる。一方の息子も、遠征から抜け出して、家を目指す。果たして、一家は再び家族に戻れるのか?
徐々に明らかになっていく異世界とトイレの関わり。
異世界に繋がっているのは、何も井戸や鏡だけではない。
そして転生した家の跡地にはある物が残され、トイレ会社の目的ともつながっているようで……。
様々な謎が残され、それでも解決に向けて次々と回収される伏線が見事。
奇抜なアイディアながら、ミステリー調の異世界ファンタジー。
是非、御一読下さい。
物語が盛り上がってきたところでのレビューになります。
この異世界転移、トイレからスタートするという不思議な幕開けから物語が始まります。
転移するのはごくごく平凡な一家全員。ちなみに爺ちゃん、婆ちゃん、父さん母さん、姉さんと弟くん、それにペットのワンちゃん。
彼らがいきなり異世界に放り込まれます。
しかも剣だ魔法だ美少女だイケメンだ、という異世界ではなく、妙にリアルな別世界。
そこでいきなりその世界の現実に放り込まれます。
いきなり徴兵されるわ、お金がないから職探し、プライドの高さゆえかなかなかなじめない爺ちゃんの悲哀。
そんな悲喜こもごものドラマがリアルに展開していきます。
その様はどこか群像劇のようで、どのキャラクターにもしっかりと光が当たっています。
それでもなんとかかんとか頑張って生活し、世界にも馴染み、異邦人ならではの成功もつかみかけて……とこの辺りのストーリーはすごくワクワクします。
しかし、これだけで済ませないのがこの作者のすごいところ。
斜め上の、というか不意打ちのように、新たなエピソードが繰り出され、世界を深く、広く、展開していくのです。
ようやくパーツが組みあがったと思ったら、それもまたピースの一部。
広大なジグソーパズルがあることに気づかされます。
この様々なベクトルをもったエピソードたちが一つにつながった時、どんな物語が、世界がそこに広がるのか?
この物語の行きつく先に何が見えるのか?
私はそれが楽しみで仕方ありません。
コメディー要素もたっぷりに読み口は楽しく軽やか、でもシリアスなシーンはじっくりと読ませる心地のいい語り口!
連載中の今だからこそ、是非追いかけて欲しいと思います!
脇田家はトイレを新調し、ウキウキ気分。
ウォシュレットがとてもいい感じ!
ご機嫌で新トイレを使用し、もらったトイレットペーパーを流す。
そんな、ごく当たり前の行動が、まさかの異世界転移の引き金となった…!!
一家六人、プラス犬一匹。
見知らぬ世界にやってきたと思ったら、いきなり家族のうち二人が国の権力者たちに連れ去られてしまった!
兵にとられた二人、残された四人。
それぞれが特技や努力で少しずつ道を切り拓いていく。
突然家族に危機が訪れたら?
家族の中での自分の役割は?自分にできることとは?
驚きの異世界冒険と、強い家族の絆が光る、文句なしに楽しめるドキドキハラハラなストーリーです。
どんどん読み進めてしまう、読みやすい文章。希望に満ちた冒険譚。ぜひ楽しんでみてください。
脇田家に新しいトイレがやってきた。
大喜びの一家だけれど、オマケでついてきたトイレットペーパを使うと……。
プロローグから絶大な伏線が張られていて、もうそれがどう回収されるのか楽しみで仕方がありません。
それに、家族のそれぞれの登場人物が、各々でできることを模索しながら、この異世界をなんとか生き延びようとする、その前向きな姿勢に勇気をもらいました。
男性陣もさることながら、女性陣の柔軟かつ的確な思考や行動力に脱帽です。
この異世界の謎に迫りつつ、一家は果たしてもとの世界に戻ることができるのか。
最後まで追っていきたいと思います。
執筆がんばってください。^-^
脇田家では、トイレをリフォームし、一つのトイレットペーパーを貰いました。
その後からです。
何かと細かいものが消えて行きます。
そして、大切な家族もが少しずつ見つからなくなってしまうのです。
お花摘みには恐怖が待っていたのです。
その向こうは、脇田家の皆さんと愛犬が行き着く異世界となっておりました。
所が、同じ所に転移した訳ではないのです。
祖父母、両親、姉弟、愛犬が、別れてしまいました。
電化製品が使えると言うお家毎転移した者がいる一方で、人魔が近くにいると言う恐怖に怯える者もおりました。
作中、祖母が大活躍する所があるのですが、私はそこが前向きでとても好きです。
私の祖母もお針をしていた経緯がありまして、そんな所に共感を覚えます。
また、人魔が誕生する経緯についてですが、かなり深掘りをなさっていらっしゃると思いました。
作中劇として一つできあがっていると思います。
本作は、環境問題にも切り込んだ意欲作とも言えます。
ラストまで読んでよかったと思ったのは、皆さんの成長です。
一人一人が、それぞれの今までよりももっと輝いていた所です。
そして、最も涙した所は、エピローグとなります。
憧れの風が胸を吹き抜けました。
家族愛を深め、各々が幸せへと階段を踏む所が、あたたかくて素敵だと思います。
脇田家に、幸あれよと祈っております。
是非、ご一読ください。