奇想天外なお花つみ転移! 憧れる程幸せになりました……。
- ★★★ Excellent!!!
脇田家では、トイレをリフォームし、一つのトイレットペーパーを貰いました。
その後からです。
何かと細かいものが消えて行きます。
そして、大切な家族もが少しずつ見つからなくなってしまうのです。
お花摘みには恐怖が待っていたのです。
その向こうは、脇田家の皆さんと愛犬が行き着く異世界となっておりました。
所が、同じ所に転移した訳ではないのです。
祖父母、両親、姉弟、愛犬が、別れてしまいました。
電化製品が使えると言うお家毎転移した者がいる一方で、人魔が近くにいると言う恐怖に怯える者もおりました。
作中、祖母が大活躍する所があるのですが、私はそこが前向きでとても好きです。
私の祖母もお針をしていた経緯がありまして、そんな所に共感を覚えます。
また、人魔が誕生する経緯についてですが、かなり深掘りをなさっていらっしゃると思いました。
作中劇として一つできあがっていると思います。
本作は、環境問題にも切り込んだ意欲作とも言えます。
ラストまで読んでよかったと思ったのは、皆さんの成長です。
一人一人が、それぞれの今までよりももっと輝いていた所です。
そして、最も涙した所は、エピローグとなります。
憧れの風が胸を吹き抜けました。
家族愛を深め、各々が幸せへと階段を踏む所が、あたたかくて素敵だと思います。
脇田家に、幸あれよと祈っております。
是非、ご一読ください。