トイレの紙さまのお導き! 流れ着いた異世界でも、汚れはキレイにしましょ

リフォームした自宅のトイレで、トイレットペーパーを流しただけなのに。
まさかの家ごと異世界転移しちゃった家族の、笑いあり涙ありの奮闘記です。

いきなり一家離散してから、家族一人ひとりのエピソードが丁寧に描かれているのが素晴らしいです。
チートスキルも何もないごく普通の人たちが、見知らぬ土地で自分に出来ることを見つけて生活しようとする柔軟さ。
『家族』が、大事な居場所であるということ。
夢物語みたいな力はなくても、人間は強く生きられるのだと胸が熱くなりました。

それぞれが持ち寄った情報で、隣国を蝕む恐ろしい『人魔』の存在や過去の出来事が明らかになるにつれ、この世界の秘密が見えてきます。
脇田家転移の元凶となったトイレメーカーの社長がやってきてからの展開が、また堪らなく熱い!
汚染された世界を浄化するための、技術力とマンパワーを結集したプロジェクトに、もはやBGMは『地上の星』でした。

現地の人々とも力を合わせて世界を救った、感動のクライマックス。
胸が暖かくなり、涙が滲む、素晴らしい読後感でした。
人間はここまでやれるということ、そして家族の絆の大切さが詰まった物語です。すごく面白かったです!

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