第6話 ②
日差しがまぶしかった。
空が青い。
仰向けに倒れている雅彦は何度もまばたきを繰り返した。
手を離してしまったが、捜すまでもなく唯も隣に倒れていた。
「大谷さん」唯が上半身を起こした。「ここは?」
問われた雅彦も上半身を起こした。雑木林は自分の足の方向、十メートルほど先にある。
有野と金子の姿が見当たらず、雅彦は背後を確認しようとした。
「本殿の前よ」
背後から聞こえた。
座り込んだまま振り向くと、真央が立っていた。
「お母さん!」
ふらふらと立ち上がった唯に続き、雅彦も立ち上がった。
安堵した様子の真央は、太い枝を杖代わりにしていた。金子が凶器として使ったあの枝と思われる。帽子とリュックは置いてきたようだ。そんな彼女が唯の額と雅彦の剝き出しの左腕を見た。
「とりあえず、助かったようね」
確かに祠の前であり、血痕らしき染みといくつかの靴跡が地面に残っていた。そしてやはり、有野と金子はどこにも見当たらなかった。
「でも、有野と金子さんが……」頂上へと至る道の先に、雅彦は顔を向けた。「ていうか、おれたちが倒れたのは林の中だったんです」
「たった今、二人ともここまで走ってきて、何かに足を取られたかのように立ち止まると、わたしの目の前で倒れたのよ」
真央は言った。
向き直り、雅彦は尋ねる。
「じゃあ、真央さんはここで有野や金子さんを見ていないんですか?」
「ええ、そうよ」
「動く枝も?」
続いて唯が尋ねた。
「枝を動かすほどの風なんて吹いていないわよ」
「そうじゃなくて……」
もどかしそうに言葉を詰まらせた唯に、真央は言う。
「とにかく、唯が見たらしいものは、わたしには見えなかった」
「でもおれたち二人は、ともに同じものを見たんです。動く枝や、有野のことも。気のせいとか幻だなんて……」
雅彦が訴えると真央は頷いた。
「あなたたちは倒れる直前まで神域の中にいたわ。わたしは神域の外にいた。それだけのこと。でも山神様は、神域の中にしかいない、とは限らない」
その言葉は乱脈を極めている、とも受け取れそうだった。
しかし雅彦は、得心して言う。
「なら、早く飛火石から離れましょう」
英美と有野を連れて帰ることは諦めていた。今は、負傷しているこの親子を安全な場所まで送り届けなければならない。もっとも、ガラドリエルの軽ワンボックス車が使えない現状では徒歩となるのは必至だ。
「ええ、そうね。あなたたちは、早く飛火石を離れたほうがいいわ」
真央の言葉に唯が真っ先に反応する。
「お母さんはどうするの?」
「わたしはね、この復讐劇を終わらせなくちゃならないの」
愁いの声音だが、彼女の決意がにじみ出ていた。
「復讐劇というのは、おれの母さんの?」
雅彦は真央を見つめた。
「そう、英美さんが繰り返してきた復讐のことよ。この復讐劇はね、まだ終わっていないのよ」
そして真央は、雅彦の背後に目を投じた。
雅彦と唯は振り向いた。
雑木林を背にして英美が立っていた。
「母さん――」
意図せず太もものポケットの上に右手を当てた。英美のナイフはしっかりとそこに収まっている。この凶器を今の英美に渡すわけにはいかない。
「真央さんに何がわかるの? あたしがどうして復讐しているかなんて、あなたにわかるはずがないわ」
疲れ果てた表情で英美は訴えた。
「わかるわよ。最初から知っていたもの」
杖代わりの枝を傍らにほうった真央は、英美に向かって足を踏み出した。右足を引きずりながらゆっくりと進んでいく。
「母さんに近づいたら危険です!」
雅彦はとっさに手を伸ばすが、真央はそれを片手で制した。そして彼女は、祠の前を通り過ぎた。
「唯を頼むわね」
振り向かずに言った。これ以上の関与は無用ということである。重すぎる宣告だった。
「知っていた、って……」英美が眉間にしわを寄せた。「石原のおじさん……治夫さんが言ったの?」
「いいえ、父は何も言っていなかったわ。でも、わたしにはわかっていたの。あの頃のあなたを見ていれば、わかるわよ」
真央は足を止め、英美と対峙した。
「だったら」英美の顔に哀感が浮かんだ。「どうしてあたしの気持ちを無視していたのよ。嫌なら、嫌、って言ってくれたら……」
「怖かったの、あなたのことが。あなたはいつも針のように尖っていたわ。それだけじゃない。あなたはいつも他人を妬んでいた」
羞恥の極みだったはずだ。英美の肩がわなわなと震えている。
鳥も虫も鳴いていなければ、微風さえない。二人の会話を見守るかのごとく、山々は静かだった。
真央は言う。
「あなたは、順一さんとわたしとの関係に嫉妬した。振り向かなかったわたしを憎むだけでなく、わたしとの恋仲にあった順一さんをも憎んだ。順一さんとわたしとの仲を認めていたみんなを、憎んだ」
淡々とした口調だった。
苦悶の表情の英美を見つめながら、真央は続ける。
「飛火石の集落が土砂災害に遭ったあと、わたしは知人の家に身を寄せた。そしてしばらくの間は、わたしも同じように、あなたを憎んだわ。わたしの家族やみんなの命を奪い、わたしから順一さんを奪った、そんなあなたを憎んだわ」
「お母さん……」
消え入りそうな声で唯がつぶやいた。若い当時の母が抱いていた憎しみを、唯は知らなかったに違いない。真央と英美、この二人の間に長期に渡って存在していた確執自体を知らなかったのだから無理もないだろう。
「英美さん、あの日、あなたから電話がかかってきて、あなたの声を聞いたとき、わたしは許すことにしたの。でも手遅れだった。だから、あなたとは会えなかったの」
「手遅れ、って――」
尋ねかけて、雅彦は口を閉ざした。割って入ってはいけない、と悟り、次の言葉を静かに待つ。
「知人の家に身を寄せてから数日後、あの呪いを……父が秘匿していた呪術を、わたしは使ってしまった。将来、英美さんと順一さんとの間に子供が生まれたら、その子に災いが降りかかるように……と山神様に願ってしまったの」
「それじゃ……おれが母さんから記憶を受け継いだのは、真央さんが呪ったから?」
狐につままれた気分だった。真央が淫祠邪教まがいの呪術を使うなど、雅彦にはどうしても信じられない。
英美の頬を涙が伝った。
「英美さんから受け継いだ記憶?」真央が横顔をこちらに向けた。「……そうだったのね。てっきり、順一さんから受け継いだ記憶だと思っていたわ」
「てっきり、って……」
啞然とせざるをえなかった。その呪術の効果がきっかけとなって命を落とした者までいるのに、術者の覚悟はその程度のものなのか。
雅彦の気持ちを察したかのように真央は言う。
「どんな災いが降りかかるのか術者にさえわからない呪術だし、山神様が術者の願いを聞き入れてくれるとは限らない。……でも、それはどうでもいいこと。雅彦さんに迷惑をかけてしまったことは事実だもの」
そして真央は、横顔で「雅彦さん、本当にごめんなさい」と口にした。
「おれの中の不可解な記憶がどういった現象なのか、真央さんは、わからないと言いました。でも、本当は気づいていたんですね」どこまで信じてよいのか、雅彦にはもうわからなかった。「この記憶が母さんから受け継いだものだろうと父さんから受け継いだものだろうと、真央さんの呪術の結果なんでしょう?」
「そうね」
答えはそれだけだった。感情を押し殺しているように窺えた。
「お母さんがそんな呪術を使っただなんて……」
驚愕の表情で言った唯から逃れるように、真央は英美に顔を向ける。
「わたしも結婚して、そして唯が生まれた。加えて、わたしも夫に先立たれた。わたしのこれまでの人生って、英美さんのこれまでの人生と似ているかもしれない」
ならば、雅彦と唯も似たような境遇にあるだろう。それぞれの家庭環境や母の出身地が符合するだけでなく、互いに母の怨恨が原因で事件に巻き込まれてしまったのだから。
真央の話はまだ続く。
「日々の暮らしの中で、わたしはいつしか、あのときの呪術は失敗したに違いない、と思うようになっていた。もう何も起こらないだろう、と高をくくっていた。自分が呪術をかけたことさえ、忘れかけていた。でも、雅彦さんが唯を石原真央と勘違いした、という出来事を聞いて、わたしは悟ったわ。わたしの呪術は効いてしまったんだ、って」
しかし、真央の軽率な行為だけが早苗の命を奪ったのではない。その点は忘れてはならないはずだ。
「わたしは……後悔したわ」ようやく、真央の声に感情らしきものが表れた。暗く、沈んだ声である。「だからすぐにこの祠の前に来て、山神様が好むオコゼをお供えしたの。そして、わたしの呪術を無効にしてください、とお祈りしたわ。でも、聞き入れてもらえなかった。もう手遅れだったのね」
真央はそこで口を閉ざした。英美の反応を窺っているらしい。
静寂が淀んでいた。
雅彦も唯も息を吞んで待つ。
一分も経った頃、ようやく英美が首肯した。
「真央さん、あなたは強いわ。でも、あたしは弱い。あたしは……どうすればいいの?」
涙をぬぐいもせず、英美は真央に尋ねた。
「つらかったでしょう」真央は英美を抱きしめた。「山神様と決別しなさい。そうすれば、わたしたちは一緒になれる」
英美は抗わず、真央に身を任せた。そしてすすり泣く。
「あたしは、順一さんと雅彦をだましていた。復讐を果たすために、夫と息子をずっとだましていた」
「でも同時に、あなたは順一さんのことも雅彦さんのことも愛していたはず。でなければ、雅彦さんがこんな立派な青年に育つなんて、ありえないでしょう?」
「あたしは、順一さんが死んだとき、とても悲しかったわ。本当に悲しかった……うああああああ!」
号泣した英美が真央の背中を強く抱きしめた。
「意趣遺恨を子供たちの代に残してはいけない。さあ、順一さんやわたしの夫が待っているところへ、一緒に行きましょう」
真央がそう諭すと、英美は嗚咽を漏らしながら何度も頷いた。
「だめよお母さん! 何をばかなことを言っているの!」
真央の元へ行こうとした唯を、雅彦は腕をつかんで止めた。
「おれたちには立ち入ることができないんだ」
「大谷さん!」
雅彦の手を振りほどいた唯だが、彼女はすぐに体を硬直させた。
見れば、抱き合っている真央と英美から幾筋もの細い煙が立っていた。二人とも衣服の至るところが焦げており、それらが徐々に広がっていく。
「早くここから離れなさい」
英美を抱き締めたまま、真央が振り向いた。白かったあの肌が無残にも焼けただれている。英美の表皮も焼かれていた。
「お母さん……そんなの、だめだよ」
唯の声は力を失っていた。
「あなたたちには……見えないかしら……」黒焦げの真央が息も絶え絶えに言った。「英美さんの体から山神様が離れていくわ。山の奥へ帰って行くのね。ああ……なんて醜いのかしら」
神域の外からでは見えない光景がそこにあるのだ。
焦げたにおいが漂った。くすぶるように、しかし動画の早送りのごとく、二人の体は焼けていく。
「嫌よ……そんなの……」
唯が首を横に振った。
今や、抱き合う二人の女は、黒くただれたマネキン人形のように変わり果てていた。毛髪も衣服も消失している。
英美の両目は眼球が焼失していた。ただの二つの穴だ。上下の唇もすでに焼失しており、ドクロのような形相だった。
そんな無様な顔を雅彦に向け、英美は顎を動かしていた。言葉を紡いでいる様子だが声は聞こえない。
英美が何を言おうとしているのか、雅彦は気になった。とはいえ、耳を澄ませようとしたときには、英美の顎はすでに動きを止めていた。
真央と英美――二人の体が、煙を上げたまま同時に倒れた。
一陣の風が吹いた。
完全に炭化した二つの物体が粉々になって舞い上がり、南へ向かって飛んでいった。
焦げたにおいが消えていた。
真央と英美だったものは何も残っていない。
唯がその場に膝を突く。
「お母さんが……お母さんが……」
そして彼女は、声を上げて泣き出した。
一方の雅彦は声も出せず、ただじっと南の空を見上げる。
無数の黒いかけらが彼方へと遠ざかっていった。
それはまるで渡り鳥の群れのようだった。
スマートフォンの着信が鳴ったのはベッドから出ようとしたときだった。
「あー、もしもし」
電話をかけてきた佐々木が先に声を発した。
「なあ佐々木よ」スマートフォンを耳に当てたまま、須藤はげんなりとする。「くだらない用件なら、メッセージで済ませてくれ。せめて朝くらいはゆっくりしたいんだ」
「くだらないとはなんだよ。なら、やっぱり夜にかけようか?」
それも避けてほしかった。仕方なく、須藤は佐々木を促す。
「わかったよ。で、どんな用なんだ?」
「大谷の――」
「切るぞ」
「なんでだよ」
「最近のおまえ、大谷の話題ばかりじゃないか」
「くだらなくはないと思うけど」
ここで通話を切ってもかけ直されるだけだろう。須藤は諦めた。
「しょうがない……言ってみろよ」
「うん……職場で耳にしたんだけど、大谷のおふくろさんが行方不明らしい。同じ職場に大谷の実家のご近所さんがいてさ、その人が言っていたんだ」
「行方不明?」須藤は眉を寄せた。「そういや、藤田っていう女は殺されたんだよな。なんだか物騒じゃないか」
「そうなんだよ。しょうがないから大谷のスマホに電話したんだ」
「電話したのか? ていうか、大谷の番号、知っていたの?」
「
「で、大谷とは話せたのか?」
須藤は問うた。ここまで耳にすればぞんざいには扱えない話題である。
「それがさ、電話が繫がらないんだよ。使われていない番号だっていうアナウンスが流れてさ」
「番号を間違えたんじゃないのか?」
「浩二から転送してもらった番号だぞ。念のため、電話が繫がらなかったことを浩二に伝えたら、自分からもかけてみる、って」
「それで?」
「やっぱり繫がらなかったらしい」
「大谷のやつ、番号を変えたんじゃないのか。例の殺人事件では、容疑者の男が逃走中だし……やばいことに巻き込まれたのかもしれないな」
「浩二は大谷の職場にも電話したんだよ」
「そうしたら?」
「先週の火曜日からずっと休んでいるんだと。今日が水曜日だから、もう一週間は経ったことになる」
「なんだそれ。もしかして、無断欠勤とか?」
「それは教えてもらえなかったそうだよ」
「やばいよな、絶対に」
「だよな」
「佐々木、特におまえがやばいんだよ」
「なんでだよ」
「藤田っていう女と会ったんだし」
「またそれか……わかったよ。やめたやめた、この話はもうおしまい」
「びびってんだな?」
佐々木の反応が滑稽に思えて、つい、笑ってしまった。
「何がおかしいんだよ。びびったっていいだろう」
「かまわないけどさ」この話題にこれ以上の進展は見込めなさそうだ。拘泥しても時間の無駄だろう。ならば、と須藤は提案してみる。「まあとりあえず、この週末は、気晴らしにドライブでも行くか?」
「須藤の車でか?」
「佐々木の車、いまいちだし」
「人の愛車にけちつけんなよ」
「女の子を誘うんだから、おれのまともな車にしておくべきだと思うけどな」
「女? 本当? 何人?」
「おれの彼女も含めて、ちゃんと二人だよ」
恋人との別れ話があったことも、よりを戻したことも、佐々木には伝えていない。この先も言う必要はない、と考えた。ともあれ、佐々木のためにこつこつとお膳立てを整えておいたのだ。
「なら、須藤のまともな車にしよう」
遠慮のない応答だった。須藤はため息を落としてしまう。
「現金なやつだなあ」
「で、どこへ行く?」
「実はな、面白い情報を入手したんだ」
「どんな?」
「群馬県の山奥に飛火石というところがあって、そこに隕石が落ちたらしいんだよ」
「隕石? ニュースとかでやっていたのか?」
「SNSで見つけた話題だよ。無数の小さな火の玉が山向こうに落ちるのを、バイクで林道ツーリングをしていた人が目撃したんだとさ」
「いつの出来事だよ?」
「先週の火曜日の夕方だそうだ」
「大谷が休み始めた日と一緒……ということは、それも一週間前ということだろう? そんな話、今、初めて聞いたぞ。ガセじゃねーの?」
「だろうな。報道とか発表はないみたいだし、ネットで検索しても、一部のやつらがSNSで盛り上がっているだけみたいなんだ。ただ、あるブログにちょっと気になる記事があったんだよ」
「記事って、どんな?」
「江戸時代にも、同じ飛火石に隕石が落ちたらしいんだ。その記事自体は五年くらい前にアップされたものだけど」
「あれれれ……もしかして、誰かがそのブログを元ネタにして、一週間前の隕石落下をねつ造した、っていうこと?」
佐々木にしては上出来な憶測だ。自分の推理とも一致しているため、須藤は「その可能性はあるだろうな」と答えておいた。
「それなのに、行くのかよ?」
「行くんだよ」
「ガセかもしれないのに?」
「ドライブの口実だよ。一部の奴らが騒いでいるのは確かなんだし、おれがうそをついている、っていうわけじゃない」
「なんだか、姑息な手段だな」
「いいじゃんか。それにさ、ヒビイシには女人禁制の山があるらしいんだ。ちょっとした肝試し気分が味わえるぞ」
「女人禁制って、女の人がそこに立ち入ると祟りがある、とか?」
「まあ、そういうことだ。……で、隕石の話や女人禁制の話を利用して、女の子たちを高揚させるのさ。隕石を発見したら結構な高値で売れるぜ、と煽っておいて、その山を登ってから、実はここ、女人禁制なんだわ、と打ち明けるんだ。これ、おれのシナリオ」
「逆に嫌われないか?」
「大丈夫大丈夫。おれの彼女ももう一人の女の子も、そういうの好きだから」
出任せだが、そこへ行ってしまえばどうにかなるはずだ。
「そうなのか」佐々木は言った。「じゃあ行こうか、そのヒビイシっていうところへ」
了
淫祠の女 岬士郎 @sironoji
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