題名を見て《根源的な恐怖》を知る者は
ピンと来るかも知れない。但し、この
大御所は、ひと捻りもふた捻りも、更に
み捻りも加えて来る。
本作はミステリー色が特に強く、また
複雑な人間模様も物語に深淵を齎す。
人死にが出るが『犯人』は誰なのか?
先ずこれが非常に推理し辛い。さらに
驚かされるのが『動機』である。
既に相当なミステリーホラーであるにも
関わらず、そこから又しても驚かされる。
見知らぬ記憶、謎の女、歴史的な大災害、
閉鎖的な村での鬱屈、愛憎、復讐…。
結局あれは何だったのか。
人の思考の枠に到底納まり切らない
《大いなるモノ》から辛うじて逃れた様な
茫然自失の読後感は必至!