あなたを運ぶ旅を

ご縁がありこの物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。

本作は少し未来の北アメリカ大陸にて、掠奪がはびこる荒んだ環境で"運び屋ギルド"に所属する主人公の女性が、1度きりのスクールバスに乗り損ねた少年を家まで送り届ける、という仕事を請け負うところから始まります。
それは旅の始まり。年の差のある彼らのやり取りから垣間見える世界情勢は厳しく、二人が今後歩む道のりは容易なものではないことが伺えます。

この物語の魅力として外せないのが、主人公の彼女の存在。台詞回しや行動から伺える、彼女の能力の高さ、用意周到さ。それら全てから醸し出される実力の高さ。そしてそれだけでは終わらない、彼女の持つ人間臭さが、キャラクターとしての魅力であると勝手に思っております。

そして作品全体の雰囲気。次々と舞い込む展開や、キャラクター同士の軽快なやり取り。扱われる小物の描写までリアルを追求されていて、それはさながらハリウッド映画のように感じられます。映像化はまだですか。
また、本作の一番巻末にある、おまけの設定資料集。すべて読んでからこれを見ると、目を丸くすること間違いなしです。

綿密に作りこまれた世界の中で息づく、旅の物語。最後の展開はグッとくること間違いなし。他の皆様も是非読んでみてください。

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