冬を越えて、ほころぶ。

主人公=伊織さんの祖母である静さんのお葬式。
そこに不意に現れた綺麗な少年風の付喪神の願い。
それは静さんと共に葬られること。
しかし伊織さんは目の前の、生まれたばかりの生命にそんなことは出来ないと、付喪神の要求を拒否してしまう。
そこから伊織さんの悩みが生まれて……。

静さんの櫛が付喪神として体を与えられたのはなぜなのか。
伊織さんの疑問は、そのまま私が日頃抱いている疑問に結びつきました。
そしてこの作品には答えが書かれていました。
心が洗われ、軽くなりました。

読み終わったあと、無意識に自分の身の回りや風景に思いを馳せてしまうような、人生の明度を上げてくれる小説でした。

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