例え、大魔法使いと呼ばれようとも、やはり師匠は、恋ごころには鈍感だった

 三大魔法使いの一人と呼ばれる師匠の目下の悩みは、唯一の優秀な弟子が、いつまでも、ここから巣立っていかないことだった。
 独り立ちできるほどの、実力も才能も持っていながら、弟子の仕事に今でも甘んじていた。

 そんな、できた弟子から、惚れ薬を売って欲しいと懇願される。
 自分の作った薬を何度か試したが効果がなく、師匠のそれの強力な作用に注目したのだ。

 最初、断り続けていた師匠も、弟子が幸せになるのならと……、そして、そのきっかけになるのなら……と、餞別がわりに惚れ薬を弟子に譲る。

 惚れ薬を使ってまで、振り向かせたかった想いは通じるのか?
 これは、一途な弟子と、鈍感な師匠の、素敵な恋と魔法の物語。

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