鉄紺のトロイメライ

2178年、日本。最先端のテクノロジー技術を駆使した、膨大なネットワークが広がる時代。国内の著しい発展と共に、死という概念に対する考えも年々変わっていった。
そんな中、供養されずに黄泉へとたどり着けなかった肉魂が凶暴化した、"未練"と呼ばれる化物が全国で発生し始める。
冷静沈着で頭脳明晰、そして持前の身体能力の高さから、所属する児童養護施設から1目置かれていた少女─── 小袖(こそで)は、平和で他愛ない生活を送っていた。
ある夜小袖は、突如現れた"未練"をものの数秒で葬り去った一人の女性、巫牡丹(かんなぎ ぼたん)と対面する。
「貴方は特別よ。一緒についてきてほしいの」
"未練"と"己の死"について、そしてクラウド上に隠されたひとつの真実を求めて、小袖は差し出された牡丹の手をとる。


さぁ…続きを読む