いいですね。
何故猫なんだろう?と気になる節もありましたが……それは伊勢様の個性なのだと思います。
きっと、どんな動物であっても、同じ疑問を抱いたことでしょう。
心理、情景描写:行動=7:3と言ったところでしょうか。
数字で表してしまうのは不躾と思いますが、短編にしては、進度が緩やかだなと感じました。
そのため『「私」は、すばやく、「猫」のスーツをはぎ取った。』という急展開を期待してしまった自分がおりました。
しかし、考えさせられるラストでした。
伊勢様の思いのままだったのではないかと思います。
今後の投稿に期待しております。
物語はうだつの上がらない主人公が人生に幕を引こうとする所から始まる。
そんな主人公に不思議な猫は問いかける。
「苦しかったか」。
読者の皆様にはひとつ、主人公と共に感じて貰いたい。一人一人答えは違うだろうが、あなたの人生はどうであるかと、見つめ直す機会になるかもしれない。
主人公はとてもプライドが高い。言い訳ばかりだと自己批判しながら、自分で分かっていると分かったふりをしている。
満足出来ないから終わらせようとする。中断とは時には逃げとなる。
そんな主人公が求める地獄、その縄は救いを求めた蜘蛛の糸にも感じられた。
このような時代であるからこそ、今この作品を読み、正しく優しくありたいと願う人の根本を読んでみてはいかがだろうか。