現代生まれ、現代育ちの少女・サラが突然、異世界へ転移。
二酸化炭素を吸って酸素を吐く、生まれ育った環境とは明らかに異なる国です。
巡り合わせから逃げず、自分らしく心強く生きる路を見出す少女。
その姿が少しずつ「炎の巫女」の運命に導かれるさまが描かれています。
地の文章が非常に整って読みやすく、サラを取り巻く人々や文化的背景も、すんなり頭に入ってきます。
派手な戦闘シーンに手に汗握ると言うよりは、人間同士の心の行き交い、台詞の遣り取りに惹かれました。
とくに主人公・サラと、彼女の幼馴染みであり天敵とも言えるマセコのコミュニケーションは必見!
異世界でサラが初めて出会った謎の美青年・レヴァルも魅力的。
彼が発した「俺が守るから」という声は、意味を果たされるのか否か。
異世界というジャンルに馴染みの薄い読者にも入りやすい物語であり、読み続けるほどに嵌まる物語です。
ぜひ、どうぞ。
普通の少女だった主人公沙薇が、宿命と戦い成長していく物語。
硬派な異世界ファンタジーです。魅せ方の工夫もしてあり、手記のようにぐいぐい読ませてきます。解けそうで解けない謎、失っていた記憶、出路、差別、不条理、不穏、思惑……
そして、マセコ。
このマセコが、ヒリヒリするシリアスな作品に、コミカルさと人間臭さを醸し出していて、登場するたびに、「出た! 待ってました」と掛け声をあげそうになります。
冒頭部分ではそこまで活躍していないのですが、気づけばマセコを忘れられなくなる、奴は魔性の女。主人公ではないのですけど、こいつをチェックしておかねば損しますよ……奴とかこいつとかいって申し訳ないんですけどね、読めばそういいたくなるのも分かって頂けるかと。
力作読みたいなー、没入感ある作品探してんだけど、という方におすすめの長編です。そろそろ完結間近のようなので、一気読みもできますよ。
個性的な母ハカセのもとで育てられた主人公のサラ。
18歳の誕生日で美しい男レヴァルに誘われ異世界へと転移するが……。
主人公が置かれる状況が、厭われつつも崇められる……極めて両極端な板ばさみ状態。
なので、読者もその場その場で彼女がどう扱われるのかとてもハラハラどきどきします。
一緒にこの世界にきた友人?のマセコはマイペースで共に手を取り合う間柄でもなく、サラは常に孤独です。
物語に深く関係してくるレヴァルも、とても冷たい男で、かと思えば見詰め合ったり……捉えどころのないキャラクターで、彼が登場するたびにどんな行動や言動をするのか無意識に注目してしまいます。
とても吸引力のある作品で、まだ連載中ですが、ずっとずっと面白い。
果たして行きつく先にサラの幸せが待っているのか、それとも辛い試練となるのか、終着点が気になります。
最後まで追っていきます。
完結まで執筆頑張ってください!^-^
幼少の頃の記憶を持たない主人公は、それ以外、普通の幸せな生活を送っていた。
18歳の誕生日を迎え、しばらく経ったある日、それまで育ててくれた母親に頼まれ、ある場所を訪れる。
その場所で出逢った美しい男性に、半ば、連れ去られるようにして、壁の反対側にやってきた。
そこは、雪のような降灰のために、疲弊し荒んだ、今までとは別の世界だった。
更に、この世界の人々は、皆、揃って、主人公を敵視し、憎悪の感情をぶつけていた。
これを、冷静に観察する主人公は、この先、どう動くのか、とにかく気になる。
プロローグ部分の出来事を、主人公に語らない、この国のいく末さえも気になる。
ここまでの、この物語のおもしろい……を、皆さまに!
これからの、この物語の続きの期待……を、作家さまに!
応援の意味を込めて、レビューを認めてみた。読んでほしいと思える物語のひとつである……。