ここは、生きている人間と死んだ人間の狭間の空間だ、と天使は言った。
この物語の主人公は、天使のその言葉に、自分の現状を悟っていた。ただ、そこには、悲しさも悔しさも併せ持ってはいなかった。ただ、なんとなく……。
そんな主人公に天使が見せたのは、残された人々が悲しむ現実だった。
その様子を見せられ、呆然とする主人公に天使が言った。
人は、三回、やり直しができる……と。そして、主人公は、次が、三回目なのだと。
やり直すチャンスを使ったにもかかわらず、なんの変化も見せなかった主人公を、天使は厳しく叱責した。
三回目、そして、最後のやり直しに戻った主人公は、どう、自分の運命を切り拓いていくのだろうか……。
そこに必要だったのは、なんだったのだろうか……。
物語、終盤で示されたそれは、わたしたちも常に持っていたいもの……かもしれない。
なかなか、素敵な物語の終わり方でもある。