生き残ってしまった者が、新たに照らす光とは

極寒の地で心中をしたけれど、生き残ってしまった青年。
東京に住まいながらも正月はその地へ戻って犬橇を走らせる。

同じ苦しみを抱く少女に出会い、そのとき彼は確かに昔の自分を見る。
同情ではなく、大きすぎず小さすぎもしない、しかし確かな希望を彼女へ伝えていく。

ずっと生きようと思う必要はない。
1年ごとに生きて、足跡を刻んでいく……人生とはそれで成り立つものだと考えさせられました。
だからこそ、1日1日を大切にしなくてはと。

短編ですし静かな情景が広がる物語ですが、メッセージ性の強い作品だと感じました。

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