作中と作中作内で交差する人物像
- ★★★ Excellent!!!
人はなぜ、物語を読むのか。
物語を読むこと、
劇や映画を観ることには、
どんな意味があるのか。
読む過程には既に書くがあり、
書く過程には常に読むがあると思います。
創作と創作間の相互作用、
互いに現実と虚構の区別なく、
重なり合って、刺激しあって、
共感したり自己投影したりと、
複雑に絡み合っていきます。
虚実が曖昧になるのは、
私たちにとって他者がわかりえないから、
なのではないか。
小説や劇などのフィクションは、
そういう他者という存在に似ています。
解釈し、判断し、時に思いもよらぬ動きをし、
自分に影響を与える。
この作品には、確かに運動があります。
いきいきとした混淆が感じられる。
他者に似ている。
読み、解釈を与え、刺激され、
書くという創作意欲をかきたてる。
ああ、もっと書きたい、そう思える作品でした。
ぜひご一読を。