謎が謎を呼ぶ一人脱出劇。私はここから脱け出したい? それとも――

高校一年生の鳴海はある日、天空に浮く島々の中に迷い込む。両親や友達との記憶も失われ、アテがないながらも出口を探して彷徨う。
ファンタジックで絵本に出てきそうな舞台を、鳴海は満喫しながらも長い時間をかけて――独りで巡っていく。葛藤を繰り返すうちに心境や周りの状況にも変化が起きはじめ、やがて真実を知ることになり――
この物語で起きるドラマの数々は、読者の皆様自身の目で追ってみるといい。

解きたい謎があるならページを捲ればいい。
足を前へ動かしてみればいい。
そこで壁にぶち当たったなら、その時自分がどうしたいか決めればいい。
自分を信じればいい。

そんな前向きな物語という印象だった。ぜひ最後まで読んでほしい一作。

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