企画用レビュー「司書ならではの冴えたやり方」


なんだこの主人公! 可愛い奴だな、君は!
図書館を舞台に繰り広げられる司書さんと利用者男性の恋の駆け引きを描いた短編です。
想いを告げたい、でも直接言う勇気が出ないし、恥ずかしい。
そんな乙女心100%の彼女が考えたのは「私に興味があれば気付いて、本にしか興味がなければ気付かない告白」なんとも司書さんらしい夢のような告白方法でした。

そうして彼女が厳選し、彼におススメした三冊の本とは…?
知れば思わず笑っちゃうようなやり方。でも素敵ですね。

そして何より冒頭で館長さんの語った「ここでは本を読むことによって皆が違う世界に旅立てるのです。邪魔してはいけないし、他の人と内容を語り合う時に結末までバラシてはいけない」という教え。これも素晴らしい。図書館に入り浸っていた過去を思い出しました。
そして、人生は本だけで構成されてはいないことも教えてくれる。名作です、はい。