導いたのは神様か、音楽か

日本とアメリカ、圭と圭司。二人から始まり、二つの国にまたがり、そして物語はひとつに収束する。
まず最初に二人の道が交わったのは奇跡だったのかもしれない。広い世界でそうして出会ったことにより、二人と彼らを取り巻く人々も動き出す。さながら最初に主役が歌い、そして周りも歌い出すミュージカルのように。
この世界は息苦しいこともある。やさしいばかりではなく、悪意で人を潰そうとする人だっている。あたたかい人もいる反面でそうした現実も描くからこそ、その厳しさが浮き彫りになるかのようでした。
最後のシーンを読んだら、ぜひ最初の頃の彼女を思い出してください。彼女の成長と変化が伝わることと思います。
まるで音楽が聞こえるかのようなこの作品、ぜひご一読ください。

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