概要
煙を吐くと世界が滅ぶし、息を吸うと俺が死ぬ
人々が幸せに生きて、毎日目まぐるしく変わる新鮮な空気を吸うと、肺が痛む。だから、俺は有害な紫煙を吸う。そして吐いて、願うんだ。滅んでしまえ、と。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!今日も今日とて、《俺》は世界の滅亡をお祈りする。
好きです。
他に言葉がないくらいには。
もっともそれではいけないので、書かせていただきますね。
「俺」はいつも煙草を吸っています。嫌なせかいの呪詛をまき散らし、みずからにも毒を取りこむように。煙と一緒に吐きだされる「俺」の罵倒は他者にたいする不満や怒りばかりですが、何処か自罰的です。
そんな「俺」にどうして煙草を吸うのかと訊ねるものは数しれず。しかしながら「俺」が「世界の滅亡を願ってるからだ」といえば、眉根を寄せて離れていきました。
ですがその日、声を掛けてきた少女は違いました。
「どうして、世界の滅亡を願っているんですか?」
そのさきを訊ねてきたのは彼女だけ。
そうして彼女は「俺」…続きを読む