あの頃が呼び覚まされ、浄化されていく。救済の物語。

愛の檻の中で、閉じ込められた本当の自分。
心は追い付かぬまま、変容していく体。
行場無く蓋をした想い。

終焉を願う心を紅い血が癒す。尖った頸椎の愛しさ。

大人になりたくない。
穢れ無き透明な存在でいたい。
痛切な希求は体を蝕むのか、解放していくのか。

拒食症という病を通して描かれる少女の魂は、何処かで自分自身と重なります。
呼び覚まされるあの頃。蓋をした想いが溢れ出す。
少女の真摯に生きる姿に、浄化されいく。

物語はまだ途上ですが、これは救済の物語だと思うのです。
ただ美しいだけの文章ならば、これほど心に響かない。
どうか、どうか。

あの頃のあなたへ、届きますように。

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