繊細で多様な個性が絡み合い、儚くも麗しく、愛という名の百合の花が咲く。

ドラッグストアで働く日芽子が出会ったのは、女性の身体に男性の心を秘めた美しき花・月彦。

月彦はアノレキシア(拒食症)。
身体にほんの少しの肉をつけることさえ拒絶し、ゼロカロリーのゼリーばかりを口にする。

見ていてとても心配になってしまう月彦を、日芽子は大きな愛で包み込み、否定することなく、ともに永く歩んでいこうと心配ります。
彼女の考え方、愛し方、生き方には実に多くのことを学ぶことができます。
健康とは、人生とは、愛とは。
世間一般とは少し違う解を持って、慎ましやかに寄り添って生きる二人の姿は、まさに愛らしい百合の花のように、世界の片隅に咲き誇るのです。

作者が得意とする、隅々まで余す所なく美しい言葉の波に、可憐なる花に、ともに陶酔してみませんか。

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