世の中の普通や常識から逸脱した先にある幸福と愛

多くの人が、健康でいたい。若くいたい。綺麗になりたい。異性にもてたい。美味しいものを食べたい。社会的に成功したい……そんな限りない欲望をもっています。けれど幸せってなに?と考えたとき、社会の「普通」や「常識」とかけ離れた自分の望みを見つけたら?

主人公の日芽子と恋人の月彦くん。二人は成熟した女性特有の形体を嫌悪し、さらには食べること、結婚すること、社会の中で犠牲的に働くこと、それらと向き合い遠ざかっていきます。
二人は不器用で危うく見えるので、読んでいてハラハラします。けれど多くの人が妥協した生き方をするなかで、最後まで不健全ともいえる生き方を貫く姿勢。案外強い人かもしれませんね。
幸福の形は人それぞれ。既定の枠組みから外れた先にも幸福と愛はあるのだと、二人が教えてくれます。


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