伝わる不思議な行事とラストの神秘的さが興味深い
- ★★★ Excellent!!!
色んな地域に、地域特有の伝統行事があるのだと思う。
この物語では十五夜に豆を隠し、集める。
大人でも子供でもない小学生が行う行事だが、小学生の弟を持つ大学生の視点からの行事への考察は興味深い。
子供たちが楽しんでやっている行事の本当の意味は? 考えると怖くもなるが、真実は分からないままだ。
そんな行事が描かれると同時に不審者である「リアカーマン」がでてくる。
皆によく思われていないようで、登場した時は胡散臭さを感じたが、ラスト、その印象がガラリと変わる。
彼が運んでいた光るものの正体は一体何だったのだろう。分からないままだが、十五夜の月の下で一斉に放たれ飛んでいった光はとても幻想的で、神秘的だ。
豆名月とは本当はどんな意味があるのか。
謎は謎のまま。
けれど読後の幻想的で現実離れした雰囲気に何か感じるものがある。