細部にまでこだわった南国の描写がすごい！

奄美大島で「なんでも屋」を営んで暮らしている男が中心の、心温まる人間ドラマです。
ストーリー構成や内容そのものもとても良質だと思いますが、本作の凄さは島国の暮らしぶりから小道具に至るまで、かなり細かいところまで再現していることです。
かなり取材されている、そして作者自身が本当に南国好きなんだろうなということがひしひしと伝わってきます。
さらに安定した文章から醸し出される情景描写によって、奄美大島の景色が頭の中に広がってくるのですね。
南の島へ移住する都会人の多くは、本作のような物語に感化されたんじゃないかなって勝手に想像しちゃいました。