これぞ正しく“悪役”令嬢

悪役令嬢モノと言えば、悪役令嬢が実は心優しい娘であったり、悪役令嬢に転生した主人公が破滅ルートを回避するべく奮闘する展開が定番でしょう。
本作が従来の悪役令嬢モノとは一線を画するのは、主人公のヴィーラが紛うことなき悪役令嬢である点です。
本作における悪役令嬢であるヴィーラは、自らの意思で憎きフェアリッテの殺害を試み、1度は命を落とします。そうして時を遡った2度目の人生ですら、今度こそ上手にフェアリッテを殺害するべく憎悪に身を焦がすのです。

しかしどうしてか、読者はそんな彼女を応援してしまう。ヴィーラが悪役令嬢っぷりを発揮するにつれ彼女に惚れ込み、ヴィーラのおいたに加担するような気持ちで読み進めてしまう。
確かな悪役なのに、寄り添わずにはいられない……本作はそんな唯一無二の読書体験を提供してくれます。

従来の悪役令嬢モノに飽きてしまった人も、そうでない人も、ぜひ1度は読んで欲しい名作です。
きっと読み進めるうちに、ヴィーラのおいたを期待する自分に気づく瞬間が、あなたにも訪れるはず。

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