人生を「机の引き出し」に例えることは多々ありますが、ここまで誰かの記憶を追体験できるような物語は、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか。あまりに現実味を帯びているので、読む人にとっては、良い懐古体験になったり、指の腹に刺さったトゲのように感じられることもあるかもしれません。ですが、作者さんの選ぶ言葉の一つ一つが魅力的なので、単純に感動したり、自分の気持ちに重ねてカタルシスを感じたりできます。個人的には、振り替えられる人生が、ある程度積もった頃の読者さんにおすすめしたい物語です。
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